横田滋さんの思い継ぎ「拉致風化させぬ取り組みを」 川崎市議会が決議

めぐみさんの幼いころの写真を見ながら、笑顔で思い出を語る横田早紀江さん(左)と故・滋さん=2017年、川崎市川崎区

 川崎市議会は18日の第4回定例会本会議で、北朝鮮による日本人拉致問題について、横田めぐみさん=失踪当時(13)=の父で5日に市内で死去した滋さんの思いを受け継ぎ、市議会として「風化させないための取り組みが続けられるよう努める」とする決議を全会一致で可決した。

 決議文では冒頭、拉致被害者家族連絡会の初代代表を務めた滋さんに、敬意と哀悼の意を表した。その上で、安倍晋三首相と朝鮮労働党委員長との対話が実現しない中、拉致被害者やその家族の高齢化が進み、再会を果たせず死亡する人がいる現状を指摘。「解決にはもはや一刻の猶予も許されない」とし、「(拉致被害者の)即時帰国の実現に向けて、国際社会が連携して北朝鮮に対する働き掛けを継続することを強く望む」とした。

 市議会は2014年、当時の議長らがジュネーブの国連人権高等弁務官事務所を訪問し、拉致問題解決への協力を要請している。

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