宮銀 原告4人と和解 元行員着服で損害賠償訴訟

 宮崎銀行で顧客の現金1億1460万円が着服された問題で、預金を詐取されたとして県内外の4人が同行の元行員と同行に6600万円の損害賠償を求めた訴訟で、同行が賠償金を支払うことで原告と和解したことが18日、分かった。同行側が和解案を示し、原告側が応じた。同行は宮崎日日新聞の取材に、「信用を第一とする金融機関として、このような事態を招いたことをあらためて深くおわび申し上げる」と話した。
 宮崎地裁で同日、弁論準備手続きがあり、終了後に同行の代理人弁護士が明らかにした。賠償金の金額などは不明。また、同行が4人以外の被害者6人の被害金約5千万円について、一部を既に賠償したことも判明した。支払った賠償金について同行経営企画部広報室は「被告に弁済を求めるかどうか今後弁護士と協議する」としている。
 訴状によると、4人は元行員で住所不定、無職福原啓聡被告(47)=詐欺罪で公判中=から架空の高金利定期預金を持ち掛けられるなどして、2018年10月~19年10月に計6千万円を詐取されたと主張。「銀行は使用者責任に基づき、損害を賠償する責任を負う」と訴えていた。
 4人は2月に提訴。地裁と宮崎簡裁は5月、福原被告に対し、3人に請求全額、1人に請求額のほぼ全額の支払いを命じる判決を出している。

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