【やまぐち深発見紀行】 No.197「鋳銭司・『屋垂れ』を取り入れた新センター」

▲屋垂れをイメージした空間

 鋳銭司地域交流センターが新築移転され、6月15日に供用が開始された。建物の一部分に地域の特色を表した空間がある。

 

 新センター建物の特徴の一つに、3メートル程度張り出した長い軒先がある。これは農家の建物の造りで、縁側のない土間空間「屋垂れ」をイメージしている。

 「私たちの郷土鋳銭司村」(内田伸編)によると、家の構造は「軒にはどじ桁といって、太い杉か松のみがいた丸太をつかい、軒のたるきをささえています」とある。頑丈な桁で軒先までの長い垂木を支えていた当時の様子がうかがえる。

 また、早稲田大などによる「千年村プロジェクト」チームは、YCAMと共同研究を行い2015年、鋳銭司和西集落を「屋垂れの村」と紹介している。

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