今週から再開になったプレミアリーグ。
ここでは、『sportskeeda』による「プレミアリーグでプレーした5人のワーストGK」を見てみる。異論がありそうな人選だが…。
マッシモ・タイービ(マンチェスター・ユナイテッド)
ピーター・シュマイケルが退団した1999年以降、優れた代役を確保するまでに随分と時間を要したユナイテッド。2005年にエドウィン・ファンデルサールがやって来るまで、GK探しに苦しみ続けた。
その6年間におけるワーストGKだったのが、イタリア人のタイービだ。
1999年にヴェネツィアから加入した彼は、ボスニッチとファンデルハウのGK2人が負傷していたためにすぐさま先発起用された。
リヴァプールとのデビュー戦でいきなりクロス処理をミスって失点を献上。嫌な予感を漂わせたが、その後はいいセーブも見せて3-2の勝利に貢献し、『Man of the Match』を獲得した。ただ、この試合が彼にとってユナイテッドでのクライマックスになると知っていた者はほとんどいないだろう。
2週間後のサウサンプト戦では歴史に残るトンネル失点…(以下動画45秒~)。
それでもアレックス・ファーガソンは彼を起用したが、チェルシー戦で5失点の惨敗を喫すると、さすがにさじを投げた。
ミスの多さから「ベネチアンブラインド」と揶揄されたタイービのユナイテッドでのキャリアは4試合で終焉。2か月後にレッジーナへとローンされ、イタリアに戻っていった。
アーダーム・ボグダーン(ボルトン/リヴァプール)
今回のリスト入りしたGKたちは1チームで駄目だったケースが多いが、彼の場合は2チームで駄目だった。
2007年にボルトンに加入したボグダーンは、守護神ユッシ・ヤースケライネンの出場停止や怪我によって、2011-12シーズンから正GKに。チェルシー戦で5失点したほか、エヴァートン戦では相手GKティム・ハワードにもゴールを献上。20試合に出場したが、チームはプレミアリーグから降格した。
その後出番を減らしていったが、2015年にリヴァプールへフリー移籍。ブレンダン・ロジャーズ監督が正GKシモン・ミニョレの控えとし彼を獲得したのには本当に当惑させられた。
数か月後にはカップ戦でレッズデビューを果たしたが、プレミアリーグで出番を得たのは、ロジャーズが解任された後だった。
そのワトフォード戦では開始3分でコーナーキックをキャッチミスして失点を献上(以下動画)。3-0で敗れた試合のパフォーマンスは衝撃的に酷かったと言える。
エクセター・シティとのFAカップでもコーナーを直接決められて、さらに評価は降下。当然のことながら、2016年の夏に彼はウィガンへと去っていった。
(※編集部追記:ヤースケライネンの代役としてデビューした際には、果敢な飛び出しでピンチを防ぐなど好プレーを見せたはずだが…。)
フレイザー・ディグビー(スウィンドン)
今回のリストに彼の名前を入れるのは酷かもしれない。
ただ、スウィンドン史上唯一プレミアリーグを戦った1993-94シーズンは酷いものだった。最下位で降格した彼らは2度とトップリーグに戻ってこなかった(現時点では)。
とはいえ、ディグビーが喫した最悪の失点記録をどう議論することができるだろうか。
マンチェスター・ユナイテッドで育成された彼は、1986~1998年までにプレーしたスウィンドンでは420試合に出場したレジェンドだ。だが、28試合で65失点を許したプレミアリーグでは痛々しい姿をさらしてしまった。チームの守備自体がひどかったのも事実だが。
彼の代役として起用されたニック・ハモンドもリスト入りしておかしくない。11試合で22失点しているのだから。
(※当時のプレミアリーグは22チーム編成で、最下位のスウィンドンは42試合で100失点を喫している)
ロベルト(ウェストハム)
2019-20シーズンにプレミアリーグにやってきたスペイン人GK。
正GKウカシュ・ファビアニスキの怪我で出番を得たが、8試合で17失点を喫するなど恐ろしく不安定だった。
エヴァートン、シェフィールド、ニューカッスル、バーンリー相手にもろさを露呈。スパーズ戦でのソン・フンミンに浴びた一撃も非難の的になった(以下動画4秒~)。
クリーンシートが1試合もなかったロベルトは2020年に入ると完全に出番を喪失。
結局、1年でプレミアリーグを去り、アラベスへとローン移籍することに。
ペーター・エンケルマン(アストン・ヴィラ)
キャリアで犯したひとつのミスだけでGKが汚名を着せられることは珍しい。
ただ、エンケルマンはプレミアリーグ史上に残る滑稽なミスによって、いまだにヴィラヴァンたちの背筋をゾッとさせている。
2002-03シーズンにシュマイケルがシティに移籍したことで、ヴィラの正GKになったエンケルマン。
リーグ戦で久しぶりに実現した宿敵バーミンガムとのダービーでやらかしてしまった。味方DFオロフ・メルベリのスローインをトラップミス…ボールはそのままゴールに転がり込んでしまったのだ(以下動画20秒~)。
チームは3-0で敗れ、彼の悪評は定着。シーズンで33試合には出場したものの、その自信が本当に回復することはなかった。
6か月後のリターンマッチでもまたミスを犯し、チームは0-2で敗戦。シーズン終了後、エンケルマンはブラックバーンへと移籍していった。