withコロナ「解除の安堵」と「第二波の恐怖」(下)「予測できても覚悟までは…」

 新型コロナウイルスへの感染歴を調べる抗体検査で厚生労働省は16日、陽性率が東京0.1%、大阪0.17%などとなったと発表した。

 国内では多くの人が抗体を持っていない可能性が高いとみられることから今後「感染第二波」に向けた対策が急がれる。

■「必ず来ます。ただし予測はできても覚悟までは」(30代女性・神戸市)
 「手洗いうがい、ソーシャルディスタンスについて、私たちはこの2~3か月十分に思い知らされました。でも予測はできても覚悟まではできてないのが本音です。何をするにしてもあれこれ考えて行動してますから。今後、もっと厳しい制限があるかも知れないですが『第一波の経験』は大きいですよ。必ず乗り越えられます」

神戸・三宮

■「関西人の自粛、思った以上に良かったから」(50代女性・大阪市)
 「この秋から年末にかけて、嫌な予感がします。こういう時こそデマに惑わされないようにしないと。いま東京都内で連日多くの感染者数が報告されていますが、関西でもそういうことになるんじゃないかと心配になります。でも、関西人って今回(緊急事態宣言発令中)、繁華街などで人っ子ひとりいない様子が報道されてましたね。私も関西人ですが、もっと『がめつく、しつこく、外に出て』というイメージがありましたが、頑張って自粛して、皆で乗り越えようという気概のようなものがありました」。

JR大阪駅

 携帯電話大手・NTTドコモの「モバイル空間統計」によると、特に関西の兵庫・大阪・京都の3府県では緊急事態宣言が解除されたのを受け、観光地や繁華街で人出は急速に回復したが、宣言発令中はターミナル駅周辺など人が集まるエリアで8割近い減少率となる傾向となった。

JR尼崎駅前

■「飲むといっても、1杯どまりで…マスク生活」(60代・男性 尼崎市)
 「私は第二波を心配してないし、適度に飲みには行きたいですよ。今まで(感染拡大前)なら仲間と最短でも2時間は飲んでたけど、1杯どまりかな。なぜって?飲んだ後もマスクしなきゃいけませんからね。マスクを習慣づけられたのは大きいです。

 ところで『無症状の感染』が理解できないんです。PCR検査で数字では 感染者数はわかりますが、無症状がいったいどういう状態なのかがわからない。私たちがコロナに振り回されているのは、ここにも原因があるかも知れないです」

 日本での感染者が少ない理由として、国レベルでの衛生意識の高さや、自治体による「クラスター(=感染者集団)」への対策の取り組みが比較的早かったこと、さらに日本は欧米に比べて陽性率が低いことから「ほとんどの人が感染していない」という印象しかないのが実情といえるかも知れない。(完)

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