ドクターズとエンブレース、心電図データを遠隔解析して脳卒中を予防する「IoT遠隔心房細動検知サービスFind Af」を提供開始

2018年12月、脳卒中、心臓病その他の循環器病が国民の生命及び健康にとって重大な問題となっている現状から、循環器病の予防に取り組むことで国民の健康寿命の延伸等を図るとともに、医療及び介護に係る負担の軽減を目指して「脳卒中・循環器病対策基本法」が成立した。脳卒中による死亡者数は第3位であるものの、心疾患などの循環器病と合わせると死亡者数1位のがんに匹敵するだけでなく、脳卒中罹患者の約8割に後遺症をもたらし、寝たきりの原因第1位となっている。脳梗塞の原因の約3割を占めていると言われる心原性脳梗塞を防ぐには、患者の心房細動を検知し、異常を検出した場合には適切な処置を行うことが必要である。しかしながら、従来のホルター心電計では検出率が低いこと、心電図を読図する手間と時間を要することなどの課題があった。ドクターズ株式会社とエンブレース株式会社は、脳卒中の約3割を占める心原性脳梗塞を予防するために、ドクターズが提供する医療専門家クラウドソーシングサービス「Doctors Cloud」登録の循環器科読図専門医が、エンブレース提供の非公開型医療介護連携SNS「メディカルケアステーション」(以下、MCS)を用いてオンラインで心電図の読図を行う「IoT遠隔心房細動検知サービス Find Af」(以下、Find Af)を開始した。Doctors Cloudは、独自の審査基準とガイドラインに基づく400名以上のエキスパート医師をネットワーク化しており、これらエキスパート医師を中心に、オンラインでさまざまな医療・健康・ヘルスケア関連業務に携わることができるサービスだ。一方のMCSは、非公開型医療介護連携SNSで、病院やクリニック、薬局、介護施設などで働く医療介護従事者の多職種連携や患者・家族とのコミュニケーションツールとして利用されている。

Doctors Cloudのサービス構成

MCSの画面イメージ今回提供を開始したFind Afは、IoT対応の遠隔心電計を用いて患者の心電図をクラウドを経由して取得し、心房細動を検知する際にDoctors Cloudの医師が遠隔にて読図を行い、結果をMCS経由で病院側の医師に送信することができる。また、IoT対応の遠隔心電計デバイスであれば様々なベンダーのものに対応できる。Find Afを活用することで、利用する医療機関は心房細動を検出でき、患者は心房細動を治療することで将来の脳梗塞リスクの抑制につながる。なお、Find Afはすでに複数の大学病院を含む総合病院での活用が決定しており、製薬会社における特定臨床研究の一部でも活用されることとなっている。

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