自粛要請全面解除 「人が動けば感染起こり得る」 長崎大学病院・泉川氏 

「ワクチンや治療薬が確立されるまでは油断してはいけない」と語る泉川センター長=長崎市坂本1丁目、長崎大医学部良順会館

 政府が都道府県境をまたぐ移動の自粛要請を全面的に解除したことを受け、長崎大学病院感染制御教育センター長の泉川公一教授は19日、記者会見し、「人の動きがあると(新型コロナウイルスの)感染は起こり得ると自覚する必要がある」と述べ、感染防止に向け新しい生活様式の実践を呼び掛けた。

 長崎県内の感染者は4月17日の17人目以降、クルーズ船を除き、確認されていない。泉川氏は「県内は落ち着いている状態」との見方を示しつつ、「秋、冬に感染症がはやりやすい状況になることも十分考えられるので、あまり油断はできない」と警鐘を鳴らした。
 今後、経済活動の範囲拡大と感染防止の両立が課題となるが、泉川氏は「ワクチンや有効な治療薬ができるまで(新型コロナと)上手に付き合っていかないといけない」と指摘。「感染症が起こるのは仕方ない。数を少なく抑えられるかどうか。新しい生活様式を実践し、自分を守り、家族を含め他人を守る意識や思いやりの気持ちを今後も持ってもらう必要がある」と述べた。
 今後の生活については感染のリスクを低くするため、飛沫(ひまつ)と接触感染の対策が重要とし、基本的にマスクを着用し、小まめな手洗い、「3密」(密閉、密集、密接)にならない工夫を求めた。旅行の際もマスクを忘れず、小まめな手洗いが必要とした。熱中症が懸念される夏のマスク着用について「屋外で人との距離が保てる場合は不要」とした。

 


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