不安の中でも楽しく成長 多機能型事業所「いちごの家」・吉原さん

利用者が作った商品を手に取る吉原さん=時津町

 西彼時津町左底郷の多機能型事業所「いちごの家」の施設長。さまざまな障害がある20~60代の25人が、通所しながらカレンダーや手芸品などを作っている。
 重度障害者とはマンツーマンで接する仕事だが、障害者の中にはマスクを着けられない人もいる。新型コロナ禍でも利用者の平穏な日常が変わらないよう、スタッフ全員が家族も含めた感染予防を心掛け、施設内の消毒や換気、体温チェックなどに気を配る。
 これまで町内で感染者は確認されておらず、事業所も長期休業はしていない。それでも第2波が来たらどうなるのか不安は尽きない。休業になれば、自宅で介護しなければならない利用者の家族の負担が大きくなってしまう。
 利用者が作る商品はパソコンで描くカレンダーをメインに、細かい手作業で作る縫いぐるみやバッグなど約150種。売り上げが利用者の工賃となる。だが各地で「3密」を避けた自粛が続く中、販売の機会は減少。今は少し手を緩め、ぼちぼち作っているという。コロナの時代も「利用者が楽しく過ごし、成長できるよう、支援を続けていきたい」と話す。

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