専門家指摘「尊敬、愛着が開示妨げる」 宗教絡んだ性被害、認知されにくい実情

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「加害者への尊敬や愛着が被害の開示を妨げる」と訴える白川氏

 カトリック教会の聖職者による性被害を訴える信徒らが開いた集会で、精神科医の白川美也子氏=東京都=が「宗教者から受けた性トラウマの被害の深刻さについて」と題して講演した。白川氏は「加害者への尊敬や愛着が被害の開示を妨げてしまう」と言及し、宗教が絡んだ性被害は認知されにくいと実情を説明した。
 性暴力の被害者は「私が悪い」という自責が生じやすく、宗教が絡むとその傾向が強まると指摘。加害者が聖職者の場合、被害を口にすること自体が教会や神への冒瀆(ぼうとく)であると感じられ、再被害が続くことがあると述べた。被害により神に裏切られたと感じると、被害者の最後のよりどころを奪う行為にもなると訴えた。
 被害者の周囲の人は被害者を尊重し、話を傾聴し、誠実に対応することが欠かせないと主張。「くさいものにふたをせず、互いに学び合わねばならない」と提言した。
 白川氏によると、自分が大事にされないと感じたトラウマ(心的外傷)記憶は冷凍保存されたように残ってしまい、当事者は自分を愛せなくなってしまうという。痴漢を含めると、女児の約6人に1人、男児の約8人に1人が何らかの性的虐待を受けているとも指摘した。