「勝率.500かつ得失点差ゼロ」は過去に2チーム

メジャーリーグ公式サイトのサラ・ラングスによると、1900年以降のモダン・ベースボール時代において、54チームが勝率.500でシーズンを終えている。そのなかには得失点差が+50以上のチームや-20以下のチームがある一方、得点と失点が全くの同数だったチームも存在する。ラングスは「得失点差」と「勝率.500の期間」に着目し、「限りなく勝率.500に近かったチーム」を特集している。

「勝率.500かつ得失点差ゼロ」を達成したのは、1922年ホワイトソックス(77勝77敗)と1983年パドレス(81勝81敗)の2チームだ。前者はシーズン残り4試合となった時点で貯金4(77勝73敗)だったが、残り4試合に全敗。最終戦は1対2でサヨナラ負けを喫し、「勝率.500かつ得失点差ゼロ」が達成された。後者は借金3から4連勝して81勝80敗で最終戦を迎えたが、最終戦は3対4で惜敗。ちなみに、この年は殿堂入り選手のトニー・グウィンにとってメジャー2年目のシーズンだった。

勝率.500の期間が最も長かったのは、2010年アスレチックス(81勝81敗)と2011年ブルージェイズ(81勝81敗)で33日間。前者は得失点差+37、後者は得失点差-18でシーズンを終えており、得失点差から算出する「ピタゴラス勝率」では前者が.525(85勝77敗)、後者が.488(79勝83敗)となる。

勝率.500のチームのうち、得失点差ゼロに近かったのは1972年ツインズ(+2)、1984年エンゼルス(-1)、1984年ツインズ(-2)、1989年エクスポズ(+2)の4チーム。1972年ツインズ(77勝77敗)以外の3チームは81勝81敗でシーズンを終えた。なお、1989年エクスポズは7試合に登板して0勝4敗、防御率6.67だったランディ・ジョンソンを5月下旬にマリナーズへトレードで放出している。

勝率.500のチームのうち、勝率.500の期間が前述の2チームに次いで長かったのは1974年ホワイトソックス(80勝80敗)で29日間。1958年タイガース(77勝77敗)も勝率.500の期間が26日間あった。前者の得失点差は-37、後者の得失点差は+53であり、「ピタゴラス勝率」は前者が.475(76勝84敗)、後者が.539(83勝71敗)となる。

ひと口に「勝率.500」と言っても様々なチームが存在するが、得失点差ゼロ(すなわちピタゴラス勝率も.500)を達成した1922年ホワイトソックスと1983年パドレスの2チームは「真の勝率.500」と呼ぶことができそうだ。

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