間仕切りリフォームの費用を工事内容別に解説。子供部屋やLDKの間取りを変更したい時のチェックポイントは?

《目次》- 間仕切りの目的

間仕切りの目的

同じ広さの家でもライフスタイルによって必要な部屋数や部屋の目的は違います。家族構成が同じだとしても、家族の年齢によってもまったく変わってくるでしょう。たとえば、子どもが小さいうちはリビングの一角に設けたキッズスペースで十分だった家庭でも、子どもの成長にともなって個室が必要になるなど、必要な部屋に変化が出てきます。独立した子どもの部屋の撤去、二世帯住宅化やバリアフリー化など、さまざまなライフステージが存在します。来客時に生活感を隠しをしたい……というケースもあるかもしれません。

そんなときに味方になってくれるのが視線や音を遮る間仕切り。間仕切りは建築されたときにつくられる壁とは違い、変更したり追加したり移動したり、環境の変化に合わせて空間を自由に変えることができるもの。限られた空間を効率よく快適に過ごすために便利です。壁やカーテン、ふすまやドアなど、選ぶ間仕切りのタイプによって個室度も自由自在。リフォームで間仕切りを考える際に必要な情報についてまとめました。

間仕切りの種類と費用相場

間仕切りにはいくつか種類があります。どのような間取りにしたいのか、何が目的なのかを考えて選ぶのがよいでしょう。

可動式 or 壁の設置

まず考えたいのが、可動式か壁の設置かという部分。壁の設置については、壁を新設して部屋を区切る方法なので分かりやすいかもしれません。壁を新設する費用の目安は10万〜25万円程度。一度設置すると簡単に動かせないのでよく考えてから決めたいところです。自由に取り外したり動かしたりできる可動式間仕切りには、動かしやすさ、個室度、防音などの度合いからさまざまな種類があります。快適に自由に空間を作れる間仕切りで最近は人気が高まっています。タイプや素材、大きさなどによって数万~数十万円と価格に幅があります。

引き戸の設置費用と工期目安

ガラス戸タイプなら防音面にすぐれていながら、採光面でも問題なし

さまざまなタイプがある可動式間仕切りですが、それぞれの様式と費用などについて具体的にみていきましょう。

ドア

空間をしっかりと区切ることができるのが間仕切りドア。引き戸タイプであれば、必要がないときに開けておくことで、もともとのスペースを広く使うことができます。ガラス戸タイプなら防音面にすぐれていながら、採光面でも問題なし。寝室など、目隠しがほしい場合はすりガラスなど半透明のものを活用するのがおすすめです。おしゃれなデザインが多く出ているので、LDK部分でも違和感なく馴染むでしょう。引き戸を設置する際は、まず部屋にレール枠を取り付け、引き戸をはめ込めば完了。施工費を合わせて約15万〜20万円程度です。

格子戸

デザイン性が高く、和室や和風テイストのお部屋にも合うのが格子戸。近年人気の和モダンなイメージにもぴったりです。格子の組まれ方によってさまざまなイメージのデザインになり、レトロもモダンも自在です。木組みタイプであれば、戸を閉めていても格子の隙間から風が抜けるので通気性を保てるのがメリット。ガラス戸タイプのものもあります。格子戸も設置費用の目安は約15万~20万円程度です。

パーテーション、パネル

可変性を重視するときに候補になるのがパーテーションやパネル、アコーディオンカーテンです。空間の広さや採光などを生かしたままスペースを区切りたいときはパーテーションがおすすめ。スケルトンタイプやガラスタイプなら、圧迫感がなく広々とした空間を感じながらおしゃれな雰囲気も演出することができます。パネルタイプは、寝室など閉鎖的な空間を作りたいときに有効です。緩やかに仕切るタイプであれば、家族の気配を感じられるような空間づくりが可能です。設置費用の目安は同じく約15万~20万円程度です。

ふすま、障子

音や気配などを感じられるよう、やわらかく部屋を分けられる

和室であれば、ふすまや障子が定番です。最近ではLDKの一角に和室を設置する住宅も多く、洋室にもなじむ障子やふすまが多く登場しています。現代風デザインのものはもちろん、洋室側のみ洋風デザインになっているものもあり、自由にコーディネートを楽しめます。ふすまも障子も、空間を完全に仕切るのではなく音や気配などを感じられるよう、やわらかく部屋を分けられるというメリットがあります。ふすまは1枚5万円程度、障子はもう少し低価格で設置できるでしょう。

天井から吊り下げるタイプの設置費用と工期目安

カーテンという選択肢もあります。アコーディオンタイプや天井から吊るすタイプ、素材も透けるタイプや重厚なタイプまで、目的や叶えたいイメージ次第で幅広い選択肢があります。

アコーディオンカーテン

蛇腹状に折りたたまれる形のアコーディオンカーテンは、不要なときにはコンパクトに寄せておくことができるので便利。冷暖房を各スペースで効率よく使えるので節電効果もあります。個室感よりも採光を重視したいなら透明や半透明のタイプがよいでしょう。バリエーション豊かな色や素材があるので、好みに合わせて選ぶ楽しみもありそう。天井にレールを取り付ける工事にはそれほど施工時に時間がかからず、費用も10万円以内で済むことが多いので数ある間仕切りの中でも価格をおさえて手軽に設置できるタイプといえるでしょう。

ロールスクリーン

カーテンとは違って、ヒダやドレープがなく、一枚の布で仕切るのがロールスクリーン。余計な装飾がないので使用中もすっきりと無駄のない印象です。左右に開閉するカーテンと違い、上下に巻き上げる形で使うので、日差しの調整がしやすいのがメリット。たとえば来客時にさっとロールスクリーンを下げるだけなので、キッチンなど生活感がでてしまいそうな部分の目隠しとして便利に使えます。遮光性のグレードやサイズ・種類によって価格に幅があり、既製品であれば比較的安価、オーダーメイドであれば割高。設置費用は1万円~と、こちらも安い部類に入ります。

壁の新設費用と工期目安 施工費、工期

既存の1部屋を完全に仕切り、2部屋に分けたいといった場合には、壁を新設する方法がよいでしょう。見た目も機能的にも、もともと部屋同士を仕切っていた壁同様に仕上げることもできます。費用は壁の大きさにもよりますが、およそ20万円程度を目安と考えておきましょう。工事期間は約1週間程度みておくといいかもしれません。

プライバシー重視の子供部屋は間仕切り壁もおすすめ

狭くはなるが、プライバシーを確保できる

子どものために部屋を2つに分ける必要がある場合、壁の新設を検討する家庭が多いかもしれません。電気のスイッチやエアコンなどを増設する必要がある、ひとつの部屋が狭くなってしまうなどのデメリットはありますが、学習や睡眠を妨げることなく、それぞれのプライバシーを確保できるという点では有効なリフォームといえるでしょう。内部に防音材や断熱材を設置することで、高機能な壁を作ることも可能です。

撤去したい場合の費用

ふたたびライフステージが変わったときに、壁を撤去する必要が出てくるかもしれませんが、施工方法によっては撤去が難しくなる場合もあります。設置する場合、撤去する予定があるかどうかも含めてよく考えて決めたいところです。

賃貸でできる手軽な間仕切り

賃貸住宅では、壁にくぎを打ったり、壁を設置したりするような大規模な工事が難しい場合もあるかもしれませんが、諦める必要はありません。手軽にできる間仕切りの方法もあります。

収納家具で間仕切り

最も手軽なのが、家具を使って仕切る方法。パーテーションなどを設置するのが難しい場合でも、たとえば本棚などの収納棚、背の高い棚を置けば空間を区切ることができます。新たに家具を置くスペースがない狭い部屋なら、ソファの位置を変えるだけでも部屋を区切ることが可能。できるだけ背の低い家具にすることで圧迫感がなくなるのでおすすめです。

突っ張り棒でカーテンを吊り下げる

家具を置くだけでなく、もっときちんとした仕切りがほしい場合は、突っ張り棒を使ったのれんやカーテンがおすすめ。さまざまな場所に対応できるような高機能な突っ張り棒が登場しているので、好みの布を吊り下げればOK。部屋いっぱいに仕切るだけでなく、ちょっとした目隠しとしても。DIYで簡単に取り付けられるので試してみてはいかがでしょうか。

間仕切りリフォームを安くするには?

施主支給のメリットとデメリット

壁やドアを設置する必要があるリフォームは、すべてDIYで済ますことは難しいでしょう。それでも、少しでも安く仕上げたいときに検討すべきなのが「施主支給」。通常のリフォームでは、リフォーム業者に製品と施工と両方を依頼するのが一般的ですが、施主支給とは、施主が製品を自分で購入し、リフォーム業者に取り付けのみを依頼する形のこと。多くのメーカーが発売している豊富な商品の中から好みのもの、低価格のものを自由に選べるのが施主支給のメリットです。施主支給でも、業者手配の商品と同様の施工費で工事をしてもらえれば、価格を多少おさえることができるでしょう。

リフォーム業者からすると、商品と施工を同時に手配できずにスケジュールが立てづらいこと、慣れない商品のため施工に余計な手間がかかる場合があること、商品代の分の利益が出ないなどデメリットがあります。そのぶん、施工費を多めに請求されることがあるので、実はそれほど節約にならないという意見もあります。施工会社に製品も同時に依頼することで、施主側もサイズや納期についてすべて任せることができ、メンテナンスや保証の面でも安心できる部分もあるでしょう。施主支給を検討する際はよく考えてから進めることをおすすめします。

目的をよく考えて間仕切りを取り入れたい

間仕切りにはさまざまな種類があり、それぞれにメリット・デメリットがあることが分かりました。家族構成やライフステージが変わっても、家族がストレスなく快適に過ごすために、どこにどんな間仕切りがあればよいか、目的をよく考えてじっくりと検討したいところ。好みのインテリアに合わせて、ぜひ間仕切りを取り入れてみてはいかがでしょうか。

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