長崎市と雲仙市 コロナ対策宿泊施設を認定へ 安全PRし誘客

 長崎、雲仙の両市と観光団体などは8月、新型コロナウイルスの感染防止策を講じた宿泊施設などに認定証を与え、安全性をアピールする制度を始める。専門家に監修を依頼して独自のガイドラインを作成する方針。佐世保市も参加を検討しており、安全性を前面に出すことで県内観光をけん引し、夏以降に始まる国の観光支援「Go Toキャンペーン」につなげたい考えだ。
 長崎、雲仙両市の観光関連部署や観光協会、宿泊事業者の組合などは6月、認定制度に向けて実行委を発足。実行委事務局によると、各業界の感染予防ガイドラインを参考にしつつ独自のガイドラインを設定し、各種対策を講じた宿泊施設などに認定証を発行する。
 認定を受けた施設は、市や観光団体が発行するパンフレットなどで安全性をPRしていくという。
 ガイドラインでは▽消毒設備の設置や定期的な換気▽対面する場にはビニールカーテンなど飛沫(ひまつ)感染防止を実施▽利用客にチェックイン時の体温測定を求める-などのチェック項目を設ける。感染者(疑い含む)が発生した場合の隔離エリアや、保健所への連絡体制の構築なども求める方針。
 7月中をめどに、認定を希望する宿泊施設を募る予定。8月に初回の認定審査を実施し、国の全国誘客キャンペーンに備えたい考えだ。審査は定期的に実施し、認定施設を順次増やしていくという。
 事務局によると、同様の認定制度は新潟県佐渡市が「佐渡クリーン認証」を6月に開始し、全国自治体でも動きが広がっているという。事務局は「コロナ禍の中、選ばれる観光地になるためには安全性が重要。衛生管理を徹底することで、観光PRとしてだけでなく、従業員を守ることにもつながる」としている。

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