鎌倉の3海水浴場中止受け市など ライフセーバー配置へ

材木座海岸

 新型コロナウイルスの影響で鎌倉市内の3海水浴場(材木座、由比ガ浜、腰越)が開設中止となることを受け、市などは25日、今夏の海岸の安全対策を決めた。すでに対策を公表している藤沢市と方向性は同じで、海上事故を防ぐためにマリンスポーツ禁止エリアを設け、ライフセーバーを事故防止員として配置して事故防止を注意喚起するほか、市のマナー向上条例に基づき警備員が来訪者に飲酒などをしないよう呼び掛ける。

 海水浴場などの関係者約30人が出席した連絡会で同日、市が報告。関係者の意見を踏まえて▽警備員配置▽海上エリア分け▽事故防止員配置▽看板設置▽ゴミ箱設置-の5項目に取り組むことを決めた。

 海上の接触や海難事故防止のエリア分けは7月1日から実施。今夏は3海岸に、幅50メートル、沖合まで50メートルのマリンスポーツ禁止エリアを設定する。事故防止員が同4日以降、危険周知や救護などを担う。配置は5人程度で調整中という。また、漁船の出入りエリアも設ける。

 砂浜での飲酒などの防止には市が例年同様、警備員を配置。同4日以降、2~4名が巡回する。約5千万円の警備費などは、市が負担する。

 会合に出席した県ライフセービング協会の菊地一郎副理事長は「今夏、一番念頭に置くのはウイルスの感染防止。事故のないようみんなで協力したい」と述べ、松尾崇市長は「海にはなるべく来ないでほしいと発信するが、地元住民らにとって海は生活の一部。トラブルが起きないよう全力を尽くす」と述べた。

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