学者で芸人のサンキュータツオ、初めての随筆集発売!もちろん寂しい、もちろん哀しい、でもそれだけじゃない。

2020年6月26日(金)に、 学者で漫才師(米粒写経)のサンキュータツオによる、 初めての随筆集『これやこの サンキュータツオ随筆集』が刊行された。これまで「学問×エンタメ」の楽しみを描いてきた著者の新境地となる作品集。 著者本人の人生をたどり、 幼少時から今までの「別れ」をテーマに綴る。

自身がキュレーターを務める落語会「渋谷らくご」で親交があった柳家喜多八と立川左談次の闘病と最期、 小学生の頃に亡くなった父との思い出、 学生時代の友人の訃報、 そして昨年夏に生きる気力を失ったサンキュータツオ本人の絶望と再生……。 自身の心の奥に深く踏み込み、 向き合い、 そのときどう感じたのか、 今は何を思うのかを率直に記している。「これやこの行くも帰るも別れては知るも知らぬも逢坂の関」小倉百人一首にも入る蝉丸のこの歌は、 人々が出逢っては別れる逢坂の関に寄せる感慨をうたったもの。 この和歌の冒頭から書名をとった本書は、 だれかを亡くした人、 そしてこれから亡くなる人に、 寂しく哀しいだけではない別れの形を描き出した随筆集だ。

目次とそのエピソード

「これやこの」…渋谷らくごを引っ張ってくれた二人の師匠

「幕を上げる背中」…駆け出しの頃を支えたライブスタッフ

「黒い店」…上野御徒町の古本屋の店主と大学生だった自分

「バラバラ」…「早稲田文学」で出会った老作家

「時計の針」…大人になった今思い出す、 中学校教師の話

「明治の男と大正の女」…祖父母にしかわからない二人の関係

「空を見ていた」…仲良しだったいとこが残した一枚の写真

「鈍色の夏」…2019年夏、 生きる気力を失った自分を助けてくれたもの ほか

© 有限会社ルーフトップ