県衛生研究所と国立研究開発法人理化学研究所が開発し、新型コロナウイルスを迅速に検出できる検査技術「スマートアンプ法」を利用した検査件数が18件にとどまっていることが25日、明らかになった。
県は同日の県議会総務政策常任委員会で報告。担当者は理由について「現場では日々の検査に追われ、技術を導入するための訓練や準備ができていない。前処理の工程に時間と手間がかかり、検査負担が軽減されない」と説明した。
県が2月に発表したスマートアンプ法は、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の感染者の検体から分離させたウイルスを活用し、遺伝子を特異的に増幅して検出する。結果判明まで通常1~2時間かかるPCR検査に比べ、30分程度に短縮できるとしていた。
黒岩祐治知事が「体が震える思い」とアピールした新技術だが、県議からは「たくさん利用されていていいはずだが、いまだにそうした話を聞かない」とチクリ。
県は検出法を改良し、持ち運びできるアタッシュケース型の機器の実証試験を進めているという。