「生きているうちに解決を」 被爆体験者ら長崎市に要望

被爆地域を示す地図を説明しながら被爆体験者への支援を訴える岩永さん(中央下)=長崎市役所

 長崎市の爆心地から12キロ以内で原爆に遭いながら、国が指定したいびつな形の「被爆地域」の外にいたため被爆者と認められていない「被爆体験者」と支援者ら10人は25日、市役所を訪れ、市原爆被爆対策部の中川正仁部長らと面会した。国に救済を強く働き掛けるよう要望し、「生きているうちに解決を」と訴えた。
 訪れたのは、第二次全国被爆体験者協議会の岩永千代子代表(84)、多・長被爆体験者協議会の山内武会長(77)ら。被爆者と認めるよう2007年以降に起こした集団訴訟は19年までに敗訴が確定したが、再提訴などで活動を続けている。
 市は7月2日、国などに被爆地域の拡大や、支援対象となる合併症への「がん」の追加、精神医療受給者証の自動更新化などを求める。中川部長は「国に救済を求めたい。皆さんと一緒に頑張りたい」と述べた。
 被爆体験者の平均年齢は81歳を超えた。参加者からは「私たちはもう長くない」「何とか(国の壁を)突破してほしい」などの声が上がった。

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