4人死亡事故で検察側も控訴 「常識に欠ける不適切な法律判断」

三重県津市の国道で乗用車が時速140キロを超える猛スピードでタクシーと衝突し4人が死亡した事故で、津地方検察庁は危険運転致死傷罪の成立を認めなかった一審判決を不服として、26日に控訴しました。

津市白山町の元会社役員、末廣雅洋被告は一昨年12月、津市の国道23号で時速146キロで乗用車を運転しタクシーと衝突、運転手と乗客あわせて4人を死亡させたとして危険運転致死傷の罪に問われていました。

一審の判決で、津地方裁判所の柴田誠裁判長は「被告が危険性を具体的に思い描いていたとは言えない」として、危険運転致死傷罪の成立を認めず、過失運転致死傷罪を適用して懲役7年の実刑判決を言い渡していました。

津地方検察庁の吉野太人次席検事は、危険運転致死傷罪を適用しなかった一審の判決について「実態からかけ離れた常識に欠ける不適切な法律判断」として、名古屋高等裁判所に控訴しました。

控訴を受け、事故で亡くなったタクシーの乗客の一人、大西朗さんの両親が思いを語りました。

父の正晃さんが「控訴してもらいありがたい。7年が不服だった」と話すと、母のまゆみさんは「過失の7年で終わったら息子たちの死が無駄になる」と語りました。 

この裁判をめぐっては、被告側も16日に控訴しています。

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