うるまでアカジン大物

 釣りでもビギナーズラックと言うことがよく有るが、無欲な人には大物が釣れる機会が少なくない。2年ほど前からフカセをメインに釣りを始めた吉村嘉洋さん、友人と2人でうるま市海岸に釣りに出掛けた。

 早朝4時からフカセ釣りを始めたが全く釣れないまま4時間が過ぎた。しばらくしたらグルクンが釣れたので、最近買った竿で初めての打ち込み釣りでもやろうと、うろ覚えで大物仕掛けを作って、生きたグルクンを餌に仕掛けを投げ込んだ。竿立てにセットしようとした時、竿が大きく引き込まれた。

 すぐに魚がヒットするとは思ってもいなかったので、ドラグはやや緩めにセットしていたので、ジー、ジーと5メートルほど道糸が引き出された。魚が根に潜ったらマズイととっさに判断した吉村さん。急いでドラグを締めると、魚に主導権を与えないように強引にリールを巻いた。3分ほどで海面に浮いたのは赤い魚で、タモを手にした友人が「アカジン」と叫ぶとタモ網ですくってくれた。

 打ち込み釣りも始めてみようと買った竿の一投目に、沖釣りでもめったに釣れない大型アカジン。釣った本人はその幸運さをあまり自覚していなかったが、仲間たちがあまりに騒ぐものだから、じわじわとうれしさが沸いてきた。次はどんなドラマが待っているのだろう。吉村さんは早くも次の釣りを計画中だ。

 (おきなわ釣王国社・仲栄真修)

© 株式会社琉球新報社