青空の色のように

 淡い藍色を「かめのぞき」(瓶覗き)という。染料の入ったかめをちらりとのぞく程度に浅く染めた色だから-という語源説もあれば「かめの水に映った青空の色」という一説もある▲梅雨の晴れ間のように清涼な「かめのぞき」の色を思わせる。ひと頃は中学、高校スポーツの県レベル、全国レベルの大会で「中止」の知らせばかりを聞いた。いま、市、郡、町レベルで大会を開いたり、県高総体の代わりのイベントが行われたりと、活気ある晴れやかな報が届く▲3年生だけの練習試合、校内だけの高総体、2校や3校での交流試合-と、代替イベントは多様な形で開かれている。「記録会」「南北対抗戦」「交流大会」など、呼び名も等し並みではない▲運動部の記者はこれらを「手づくり感あふれる大会」と称し、「3年生には県高総体よりも多くの選手が活躍できる舞台かも」と書いている。この先も続く代替イベントはどれも特別に違いない▲「中止」の報に肩を落とし、涙した若い選手は数限りなくいるだろう。落胆の涙雨が降った心にいま、青空の色が映っているといい▲きのうはサッカーJ2がほぼ4カ月ぶりに再開し、V・ファーレン長崎は北九州に競り勝った。どんよりと雨雲が広がりがちなこの時季、「空の青」や「白星」がひときわ心に映える。(徹)

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