MLB機構と選手会 契約オプションなどの扱いで交渉継続中

ジ・アスレチックのケン・ローゼンタールによると、メジャーリーグ機構とメジャーリーグ選手会の交渉は、まだ終了していないようだ。両者はこの週末をベスティング・オプション(成績次第で自動的に行使されるオプション)やロースター・ボーナスといった、契約上の問題に関する交渉に費やした。まだ合意には達していないようだが、関係者は現地時間6月28日の夜の時点で合意が近付いていることを示唆している。

選手会役員の1人であるアンドリュー・ミラー(カージナルス)は、2019年と2020年の2年間で合計110試合に登板すれば2021年の契約(年俸1200万ドル)が保証されることになっている。昨年73試合に登板しているため、今年37試合に登板すれば2021年の契約が保証されるわけだが、60試合中37試合に登板するのは現実的な話ではない。こうした項目の扱いをめぐって機構側と選手会の交渉は続いているというわけだ。

別の例を挙げると、たとえばジョン・レスター(カブス)は今年200イニング以上投げるか、2019年と2020年の合計が400イニングを超えれば2021年の契約(年俸2500万ドル)が保証されることになっている。レスターは昨年171.2イニングしか投げていないため、年俸2500万ドルを手にするためには今年200イニング以上投げることが必要だった。

もし、162試合と60試合の比率でこの条件を計算しなおすのであれば、その条件は「約75イニング投げると約950万ドルが保証される」となる。しかし、オプション破棄の場合のバイアウトが1000万ドルに設定されているため、レスターのケースでは「ノルマをクリアしないほうがより多くの金銭を得られる」という矛盾が生じてしまうのだ。

3月時点の合意では、2021年以降の契約の扱いに言及していなかったため、様々な方法が検討されている。また、新型コロナウイルスの感染拡大状況次第でレギュラーシーズンが60試合より少なくなる可能性が残されていることも、話をややこしくしている。

今年に関しては、出来高などの金額と区切りとなる数字は試合数に応じて比例計算されることで合意に達しており、契約の大部分を出来高が占める前田健太(ツインズ)なども影響を受けることになるだろう。今年の成績が来年以降に影響を与えるケースについては、機構側と選手会のあいだでもう少し調整が必要となりそうだ。

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