長崎・小6女児自殺から7年 ヒマワリのような子悼む碑 遺族・学校の対立越え7日除幕

 2013年、いじめを受けていた長崎市内の市立小6年の女子児童=当時(11)=が自殺した問題で、児童が自殺を図ってから7日で7年となる。通っていた小学校は、児童が亡くなったことをいつまでも忘れないようにと校内に慰霊碑を建立し、7日に関係者が除幕する。児童の母親(46)は取材に応じ「『いじめはいけない』『命は大切』ということを考えるきっかけになり、ありがたい」と胸の内を明かした。

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 「ヒマワリのような子だった」。毎年7月7日には学校に献花台が設けられ、集まった同級生たちは、いつも明るかった女子児童のことを、こう悼んだ。そうした声にちなみ慰霊碑は「ひまわりの碑」と名付けられる。
 七回忌を迎えた昨年、献花台を設けての追悼は最後となった。今年、大学進学などで県外に出た同級生も多く、慰霊碑はいつでも花を手向けられる場を設ける意味合いもある。
 女子児童は13年7月7日に自殺を図り、翌月に亡くなった。市教委は調査の結果、上靴が隠されるなどのいじめがあったと判断。その後の市学校問題外部調査委員会(第三者委)は「(いじめと自殺の)直接の因果関係の認定は困難だが、関連を有する」と結論付け、学校側に「対応が不足していた」と指摘した。
 母親は、意見の隔たりが埋まらない学校や市教委との対立を余儀なくされてきた。しかし、次第に「誰が悪い、ではなく、二度とこのようなことが起きないようにしたい」と考えるようになったという。
 慰霊碑の設置は母親や支援者、学校側が1年ほどかけて準備を進めた。建立する場所は、子どもたちが目にしやすいよう校舎の出入り口近くに決まった。
 母親は「娘の死について、初めて皆が同じ方向を向いて取り組み、形になったもの」と感じている。
 校長は「かつての児童が自ら命を絶ったことを忘れてはいけない。子どもたちには、人の気持ちを考えた行動を取るよう伝えていきたい」と話した。


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