特別警報切り替え後も 移動は待って 土砂災害や川の氾濫に厳重警戒

 熊本県と鹿児島県では大雨特別警報がすべて大雨警報に切り替わったが、引き続き、土砂災害や川の氾濫には厳重な警戒が必要だ。避難所や安全な場所からの移動はしないでほしい。
 昨年の台風19号では、大雨特別警報を解除した後に、川の氾濫が起こった。このため、国土交通省と気象庁は、特別警報の「解除」を「切り替え」という表現に変えている。

 現在、活発な雨雲は九州南部から離れたが、氾濫した球磨川の流域の天草・芦北地方や球磨地方は、これまでに観測史上1位となる記録的な大雨となった所もあり、観測地点の多くの場所で48時間雨量が400ミリから500ミリに達しており、大雨は面的に広がった。
 このため、川の氾濫や土砂災害は、雨が止んだ後も起こるおそれがある。雨は山を流れたり、下流に流れ着くまでに時間がかかるため、災害が起こるまでに時間差が発生することが多い。土砂災害も同様に雨が止んだ後に起こるおそれがある。避難所や安全な場所に移動した方は、その場にしばらく留まることが大切となる。

(気象予報士・長谷部愛)

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