ワゴンRヒットにあやかって登場した初代
ソリオの歴史を紐解くと1997年まで遡る。当時大流行していた同社のワゴンRをベースに1Lエンジンを搭載し、5人乗りモデルとしてデビューしたワゴンRワイド、これこそがソリオの始まりだ。
当時、スズキは登録車に力を入れていたために、Keiベースの初代スイフトなど軽自動車ベースの派生車を増産しており、いわばソリオはその一環であった。
翌年に、ワゴンRワイドの後継車に当たるワゴンRプラスがデビューし、2000年のマイチェンでワゴンRソリオに再度名称変更するなど、振り回された感も否めないクルマであった。事実、ワゴンRソリオは2代目登場までの5年間で7万630台という、決してヒットとは言えない成績だったのだ。
2代目で大躍進! ウマいとこをついたパッケージングが大ウケ
ところが、2010年に登場した2代目から快進撃が始まるのだ。キモは見事なまでのパッケージングで、コンパクトなボディはそのままに両側スライドドアを採用したこと、そして何より絶妙なサイズにある。
5ナンバーのクルマといえば、枠ギリギリの全幅1695mmとするのが一般的だが、ソリオは1620mmとあえて少し小さくしているのだ。軽自動車からの乗り換えでも難なく運転できるサイズで、取り回しも見事であったことから、当初狙っていた軽自動車からのアップサイザーのみならず、ミニバンからのダウンサイザーにも大ウケしたのだ。
2012年にイカつい顔のバンディットを追加したことを追い風に、現行モデル登場までの5年間で15万8015台と初代モデルの倍以上を売り上げ、スズキを支える基幹車種にまでに成長したのだ。
2代目ソリオってどんなクルマだった?
プラットフォームのベースを、それまでのワゴンRから走りに定評のあったコンパクトカーの3代目スイフトに変更。スライドドアこそスペーシアの先祖に当たる軽スーパーハイト系ワゴンのパレットから流用していたものの、しっかりとした走行性能が自慢で、乗り味はまさに“背の高いスイフト”といったイメージだ。
チームトヨタが打倒ソリオに乗り出した!
その後、3代目ソリオがデビューした直後に、もろパクリしたかのようなダイハツ トールが発売された。ソリオを倒すべく、トヨタとスバルでも売り出すほどの本気っぷりで市場に参入。それほど、ソリオの功績はデカかったのだ。
個人的な意見だが、この市場を作り上げたソリオにはもっと頑張ってもらいたいというのが正直なところ。現行モデルが登場してから今年で5年、絶妙なサイズはそのままに、次期モデルも魅力的なクルマになることを願う。
ソリオ VS タンク4兄弟はどっちがいいの? 違いはコチラ▼
【筆者:MOTA編集部 木村 剛大】