東大寺で重源上人の遺徳を偲ぶ 俊乗忌

 

 平氏の南都焼討で伽藍の大半を焼失した東大寺の復興に尽くした、俊乗房重源上人(しゅんじょうぼうちょうげんしょうにん)の遺徳をしのぶ法要がきょう、東大寺の俊乗堂で営まれました。

 俊乗忌は重源上人の命日にあたる、7月5日に毎年営まれています。俊乗堂には、重源上人の弟子が作ったと伝わる国宝の重源上人坐像が安置されていて、きょうは早朝から僧侶らが唱える唄散華が静かな堂内に響きました。

 重源上人は平氏による南都焼討の翌年、1181年に、朝廷から再建の最高責任者に任じられました。重源上人は、諸国を回り復興に必要な資金や技術者を集めたり、源頼朝などの支援を取り付けたりするなどして、寺の復興に尽力しました。毎年、俊乗忌の日には、国宝の重源上人坐像が一般公開されていて、朝から参拝者が手を合わせていました。

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