熊本甚大被害に危機感 宮崎県内大雨警戒

避難所で体を休める高齢者ら=5日午後9時24分、小林市須木・内山地域福祉センター

 九州付近に梅雨前線が停滞し大雨への警戒が続く県内では5日、複数の自治体が土砂災害などに備えて避難所を開設し、身を寄せた住民らは不安な夜を過ごした。隣県・熊本で甚大な被害が発生したことで、避難者は「気が抜けない」と危機感を募らせていた。
 小林市は午後6時、市内7カ所で避難所を開設。同市須木内山の内山地域福祉センターには同9時現在、6世帯7人が身を寄せ、中園英敏さん(72)は「熊本の被害の状況に、何が起こるか分からないと避難した。土砂災害は防ぎようがない」と不安を口にした。
 高鍋町も同6時、保健師を常駐させた体調不良者向けと一般向けの2カ所を開設した。
 一般向けの町体育館に避難した同町南高鍋、パート従業員永友百合子さん(76)は「膝が悪く、人に迷惑を掛けたくないため早めに来た。被害が出ないよう一刻も早く過ぎ去ってほしい」と願った。
 3、4日の避難勧告に続き、5日に「避難準備・高齢者等避難開始」が出た宮崎市高岡町内山、赤谷地区。同地区の公民館長、兼森智さん(69)は「地盤も緩んでいるだろうし、今後も雨が続くことは心配」と話し、「山も川も近い地域は気が抜けず、わずかな情報でも住民同士で共有したい」と気を引き締めていた。

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