佐賀藩深堀領の家老職・樋口家 資料1467点、長崎市に寄贈 16代目当主・貴玖子さんに感謝状

田上市長(右)から感謝状を受け取る樋口さん=長崎市役所

 江戸期に長崎港警備などを担っていた佐賀藩深堀領で、家老職にあった樋口家由来の資料を、16代目当主の樋口貴玖子さん(80)=長崎市深堀町5丁目=が市に寄贈した。市は1日、樋口さんに感謝状を贈った。
 寄贈したのは、1600年代から1900年前後にかけての文書類や器物類計1467点。中には、佐賀藩初代藩主の鍋島勝茂が樋口家に領地を与えた際の書状など貴重な古文書が含まれている。
 樋口さんは自宅での資料の保存管理に限界を感じ、市に寄贈することにした。市によると、資料は今後、長崎歴史文化博物館(立山1丁目)に収蔵され、市民らに公開されるという。
 感謝状の贈呈式で、田上富久市長は「資料を大事に守りながら、(歴史を)後世に伝えていく」とお礼を述べた。式後、樋口さんは「多くの人に資料を見てもらい喜んでもらえれば、長年守ってきたかいがある」と語った。

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