コンパクトカークラスの軽量ボディにセレナ並みのパワー
日産 キックス e-POWERが搭載する駆動用モーターの性能は、最高出力が129馬力、最大トルクは26.5kg-mだ。
ノート e-POWER(車両重量1190kg~1230kg・FFモデル)の109馬力・25.9kg-mよりは随分パワフルで、セレナ e-POWER(車両重量1740kg~1780kg)の136馬力・32.6kg-mより若干低い程度だ。
しかもキックス e-POWERの車両重量は1350kgに収まり比較的軽量。コンパクトカークラスの軽量ボディにセレナ並みのパワーとなれば、動力性能としては十分な実力を備えている。
キックス e-POWERのWLTCモード燃費は21.6km/L、JC08モード燃費は30km/Lである。
WLTCの各モードでは、市街地モードが26.8km/L、郊外モードが20.2km/L、高速道路モードが20.8km/Lとなっている。
キックス e-POWERの燃費をヴェゼルやC-HR、CX-30などのライバル車と比較
ライバルの国産コンパクトSUV各車と、キックス e-POWERの燃費を比較してみよう。
ホンダ ヴェゼル
ホンダ ヴェゼル ハイブリッド[2WD]はJC08モード燃費が23.4km/L~27km/Lなので、キックスの数値が上まわる。
トヨタ C-HR
トヨタ C-HR ハイブリッドは、GとS[2WD]の場合WLTCモード燃費が25.8km/L(市街地:24.7km/L/郊外:28.6km/L/高速:24.6km/L)、JC08モード燃費は30.4km/Lだ。C-HRの燃費数値は、キックス e-POWERよりも少し優れる。
マツダのCX-3、CX-30
マツダのCX-3とCX-30は、ハイブリッドを用意しない代わりに、実用回転域の駆動力と燃費効率の優れた1.8リッタークリーンディーゼルターボを搭載する。
CX-30の場合、実用回転域の駆動力は2.7リッターガソリンエンジンと同等で、2WDのWLTCモード燃費は19.2km/Lだ。WLTCの各モードでは、市街地モードが16.1km/L、郊外モードが19.3km/L、高速道路モードが20.9km/Lである。
軽油は価格が安いので、燃料代で換算すればキックス e-POWERと同等のコストに収まる。
まとめると、国産コンパクトSUVクラスの燃料代は、キックスとマツダのディーゼルが同等で、C-HRのハイブリッドは少し安い。ヴェゼル ハイブリッドはほんの少し割高、という位置付けになる。実際に走行してみた際の実燃費も気になるところだ。
[筆者:渡辺 陽一郎/撮影:日産自動車・MOTA編集部]
次回ライバル徹底比較の燃費編更新は7月10日!
日産 新型キックス e-POWERの詳細解説、第3弾はいかがでしたか。ライバル車との比較を通して、e-POWERの得手不得手も見えてきたのではないでしょうか。次回の新型キックス e-POWER 詳細解説はライバルとの徹底比較編をお届け。熾烈な戦いを繰り広げるコンパクトSUV各車との違いをご紹介します。こちらは7月10日に公開予定です。お楽しみに。
主要スペック
※スペックは日産社内測定値 。価格はいずれも消費税込み