“職人技”光る 発泡スチロールで旧英国領事館を再現 ホテルニュータンダ シェフ・宮本さん

れんがの質感にまでこだわって発泡スチロールで作られた「旧長崎英国領事館」の模型 宮本昭彦さん

 長崎市常盤町のホテルニュータンダのシェフ、宮本昭彦さん(63)が発泡スチロールを用いて、ホテル近くで復元工事中の国指定重要文化財「旧長崎英国領事館」を再現した。れんがや石の質感など細部にまでこだわった“職人技”が光る大作。10日からホテルのロビーに展示する。
 同ホテルは、新型コロナウイルスの影響で5月中旬から今月9日まで休館。10日から開く「長崎居留地ビアガーデン」に合わせ、宮本さんが“おうち時間”を利用し、高さ70センチ、幅90センチ、奥行き65センチの模型を完成させた。

 宮本さんは長崎工業高インテリア科卒。学校で設計などを学び、料理人になる以前、5年ほど建設会社で働いた経験を持つ。発泡スチロール彫刻は約20年前から独学で取り組んでいる。
 今回の製作期間は1カ月半。工事前の領事館の写真を参考にし、建物の高さと幅、奥行きの比率を計算した。道具は飾り野菜を作る時に使うナイフ1本で、材料には倉庫に眠っていた防音用の発泡スチロール(厚さ5センチ)を活用。パーツごとに切り出し、のり付けして組み立てた。内側にはLED電球を設置。建物を幻想的に浮かび上がらせる工夫も凝らした。
 旧長崎英国領事館の復元工事は2025年に完了予定。宮本さんは「作品を見てお客さまに少しでも喜んでもらえたらうれしい」と笑顔を見せた。
 作品展示についての問い合わせは同ホテル(電095.827.6121)。

復元工事前の旧長崎英国領事館=2011年撮影、長崎市大浦町

© 株式会社長崎新聞社