【新型コロナ】マグロ新メニューに浜焼きスペース… 神奈川・三崎港の複合施設、客足回復へ知恵

うらりに出店する清月が新発売した、ワカメ入りの「まぐろギョウザ」(同社提供)

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で約2カ月間、休業していた三崎港近くの複合施設「うらり」(神奈川県三浦市三崎)の各店舗が、客足回復に向けて奮闘している。「三崎に遊びに来る人が増えたら」と願い、新商品を出したり、浜焼きスペースを新設したりと知恵を絞る。

 鮮魚店や土産物店などの計12店舗が出店するうらりは緊急事態宣言を受け、4月8日から5月26日まで休館。同27日の再開後は週末を中心に客足が戻りつつあるが、以前は月200~300台あった観光バスの訪問は当面予定がない。各店舗からは売り上げが「平日は以前の半分以下」といった切実な声が上がる。

 そんな中、何とか客を呼び戻そうと新商品や新スペースもお目見えしている。

 マグロの加工品200点以上を扱ってきた「清月」は、マグロを使った冷凍のカルビ焼き、シューマイ、ハンバーグ、ギョーザの4商品(各400円)を新たに並べた。

 1964年に和菓子店として創業し、今春からマグロの加工・販売業に専念して再スタートを切った矢先の休館。ゼロになった売り上げを戻していこうと、休館中に新商品開発に取り組んだという。

 営業再開後は感染予防のために試食を取りやめるなど、売り上げ増への壁は残る。それでも、内騰幸成代表(50)は「うちにしかないオリジナル商品を楽しんでもらいたい」と前を向く。

 鮮魚販売の「大畑鮮魚」は6月から、店舗の一角に浜焼きスペースをオープンした。古民家をイメージした外観で、アワビやホタテ、ハマグリといった浜焼きメニューのほか、マグロの唐揚げ、アルコール類などを提供し、「生魚を買って帰れない人にも楽しんでもらえたら」と渡辺亜希子店長(45)。大畑雅央専務(45)は「うらりは安価においしいものを食べられるスポット。浜焼きを看板に、三崎全体を盛り上げたい」と意気込んでいる。

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