「台風14号級」警戒 宮崎大工学部 村上啓介教授(水工学)

 県内では記録的な大雨が続き、土砂災害や河川の氾濫の危険が高まっている。9日以降も大雨が予想されており、宮崎大工学部国際教育センターの村上啓介教授(水工学)に注意すべき点を聞いた。
 雨が落ち着いた状態でも決して警戒を怠ってはいけない。今回は線状降水帯が九州各地で次々に発生し大雨を降らせているが、県内でも今後、線状降水帯が発生し、局地的に激しい雨が降り続く恐れがある。
 線状降水帯がいつどこで発生するのか予報するのは難しい。本県は豪雨災害を受けやすい地域。現時点の被害状況で抑えられているのは偶然のことだ。
 特に山間部や急傾斜地は、地中に相当量の雨水が浸透している。少なくともあと数日は河川の氾濫や土砂災害の危険性が高い状態が続くだろう。
 河川や水路、急傾斜地には、決して近づいてはいけない。土砂災害の兆候となる水の濁り、斜面から落ちる小石、強い土の臭いなどに十分気を配ってほしい。地盤が低い所も注意が必要。川の水位が高いため水が引かない恐れがあり、急に水かさが増して動けなくなる危険性がある。
 県内の住宅4千戸以上が浸水し、13人が犠牲となった2005年の台風14号規模の雨が降り、大災害を引き起こしてもおかしくはない。

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