カブスは強打のシュワーバーをDHに固定しない方針

2020年シーズンはナショナル・リーグにも指名打者制が導入され、ダルビッシュ有が所属するカブスでは昨年38本塁打を放ったカイル・シュワーバーが指名打者の最有力候補に挙げられている。しかし、デービッド・ロス監督は指名打者の枠をフレキシブルに使いたい意向であり、平均レベルの外野手へと成長しているシュワーバーを指名打者に固定するつもりはないようだ。

シュワーバーは日本時間7月9日、ZOOMでのメディア対応のなかで「みんなが僕のことを指名打者として見ていることは知っているよ」とコメント。しかし、その一方で「でも、外野の守備には就くつもりだし、ベストを尽くして良いプレーをしたい」と外野守備への意欲も示した。

プロ入り前から打撃力を高く評価されていたシュワーバーだが、指名打者制のないナ・リーグのカブスに入団し、捕手から外野手へコンバート。左翼の守備ではレギュラー定着1年目の2017年こそ守備防御点マイナス7と苦戦したものの、2018年はプラス3、昨年もマイナス3と平均レベルまで守備力を向上させており、正確なスローイングで走者を刺す場面も目立っている。

こうしたシュワーバーの成長もあり、ロスは「カイルのことを外野の穴とは考えていない」と語る。「カイルより守備の上手い外野手はいるけれど、彼だって堅実な守備ができる選手だ。彼に外野を守らせることをためらったりはしないよ」と指揮官はシュワーバーの外野守備への信頼を口にする。

ロスは主力選手の疲労具合や相手投手との相性など様々な要素を考慮して指名打者の枠をフレキシブルに活用する方針を示しており、シュワーバーが指名打者に固定される可能性は低い。故障明けのスティーブン・スーザJr.や正捕手のウィルソン・コントレラスが指名打者として起用されるケースもあるだろう。

とはいえ、シュワーバーは指名打者で出場した通算22試合で打率.299、9本塁打、20打点、OPS1.046の好成績を残しており、敵地で指名打者を務めた2016年のワールドシリーズでも16打数7安打を記録。「指名打者・シュワーバー」の活躍を知るファンたちがシュワーバーの指名打者としての出場が増えることを期待するのは仕方のないことなのかもしれない。

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