紀伊半島知事会議・新型コロナなどで意見交換

紀伊半島に位置する和歌山・奈良・三重の県知事が共通する課題について意見を交換する「紀伊半島知事会議」が、きょう(9日)午後開かれ、新型コロナウイルス感染症の各県の対応や今後の方針などについて話し合いました。

Web会議システムで意見交換する3県の知事(7月9日・和歌山県庁)

会議は毎年3県の持ち回りで開かれていて、31回目となることし(2020年)は、串本町潮岬の南紀熊野ジオパークセンターで開かれる予定でしたが、梅雨前線による大雨の影響でウェブ会議形式に変更され、和歌山県の仁坂吉伸(にさか・よしのぶ)知事と奈良県の荒井正吾(あらい・しょうご)知事、それに三重県の鈴木英敬(すずき・えいけい)知事が、それぞれの県庁から画面越しに意見交換しました。

きょうの会議では、次の感染拡大に備えた医療保健行政の強化や医療機関の負担軽減の重要性について話し合われ、三重県の鈴木知事は、無症状・軽症患者の搬送や収容先のホテルの確保に、バス会社や大手旅行代理店などの民間の力を活用した事例を紹介しました。

また、観光がメインの3県の経済的な対策について、和歌山県の仁坂知事は、新型コロナウイルス終息後の外国人観光客と国内旅行志向の日本人の誘致について提言し「どちらの層にも東京や大阪、京都などの一大観光地よりは、和歌山や三重などニッチな土地にとってアピールチャンスになるのではないか」と述べました。

奈良県の荒井知事は「京都は修学旅行ひとつとっても史跡や名勝の動線形成が上手で、仁和寺(にんなじ)の宿坊体験と絡めたプロジェクトも優れている。高野・熊野・吉野(こうや・くまの・よしの)の『三野(さんの)物語』をつくって、歴史と文化のブランド化とルート整備をすれば、ハイエンド層の観光需要喚起に繋げられるのでは」と述べました。

このほか、東京一極集中に関して、首都圏に向けてテレワークやワーケーションを積極的にアピールすることも確認しました。

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