核禁条約採択3年 早期発効に決意新た 「国際署名」県民の会 50万筆進める

原爆落下中心地碑前に献花した田中共同代表=長崎市、爆心地公園

 核兵器禁止条約の国連採択から3年を記念し、「『ヒバクシャ国際署名』をすすめる県民の会」は9日、長崎市松山町の爆心地公園で集会を開き、同条約の早期発効に向けて決意を新たにした。
 同条約は、発効に必要な50カ国・地域の批准まで残り11となっている。全ての国、地域に批准を求めた同署名は日本原水爆被害者団体協議会(被団協)の呼び掛けで始まり、県内では県民の会が50万筆を目標に集めている。
 激しい雨が降る中、集会には約20人が参加。原爆犠牲者に黙とうし、田中重光共同代表が原爆落下中心地碑前に献花した。長崎原爆資料館の篠崎桂子館長は「被爆75年の節目の今年、市も核兵器のない世界へと続く道を、たゆみなく歩み続ける」と田上富久市長のあいさつを代読した。
 集会後、田中共同代表は「発効に向け、ややペースが落ちていると感じる。国際署名をもっと広げてアピールしていきたい」と話した。県内の署名数は8日現在、目標の50万筆に対し、48万2963筆。
 同条約は2017年7月7日に採択。これまでに81カ国・地域が批准の前段階に当たる署名をし、39カ国・地域が批准した。50カ国・地域が批准し90日後に発効する。米国の「核の傘」に入る日本は署名・批准をしていない。

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