生徒ら「早く再開を」 県内JR運休続く

 大雨により約1週間にわたり運休が続いているJR吉都、日南線の沿線の高校では、列車通学の生徒が通学できない事態が起きている。代替の交通手段がないため、保護者が送迎する世帯では負担が大きくなりつつある。学校関係者からも早期復旧を願う声が上がっている。
 えびの市原田、団体職員市来孝之さん(45)は、70代の両親と朝夕交代で長男を小林市・小林高まで送迎している。運休が長引けば両親に負担を掛けないか心配だ。早期再開を望む一方で、「雨量や(熊本県の)肥薩線の被害を考えれば、慎重な判断も仕方がない」。
 高原町からえびの市・飯野高に通う3年青木陽依(ひより)さん(17)は「親に40分ほどかけて送ってもらい申し訳ない。1日も早く復旧してもらいたい」と心苦しそうだった。
 生徒約140人が日南線で通学する日南市・日南振徳高(奥村昌美校長、524人)でも影響は深刻だ。保護者が送迎できない生徒もおり、10日は串間市方面からの14人が登校できなかった。同市・福島高(澁谷好一校長、206人)は日南市から通う3人が6日から通学できていない。担任が授業で配るプリントを自宅に届けているが、吉田重樹教頭は「学習の遅れが心配。新型コロナでただでさえ休校が続いていたのに。1日でも早く復旧するか、代替手段を検討してほしい」と困惑していた。

© 株式会社宮崎日日新聞社