災害に強い国道へ協定 相模原市と山梨県、台風教訓に

国道413号地図

 来夏の東京五輪で自転車ロードレース競技のコースとなる国道413号の防災機能強化に向け、道路管理者の相模原市と山梨県が連携協定を結んだ。昨年10月の台風19号に伴う豪雨で土砂崩れが起きて長期間通行止めとなり、住民生活や物流、経済活動に甚大な影響があったことを教訓に、災害時には県境を越えて現場に駆け付ける体制を整えていく。

 協定の対象区間は、相模原市緑区青山の国道412号交差点から、山梨県山中湖村の国道138号交差点までの50.4キロ。土砂崩れなどの災害が起きた場合、情報を共有し、互いの要請に基づいて現場に駆け付け復旧作業を支援する。

 昨秋の台風19号では市側だけで8カ所の土砂崩れが発生。しかし迂回(うかい)路がなく手前の土砂崩れで足止めされ、その先の被害の把握に手間取った。県境をまたいで両側からアプローチすることで速やかな現場確認などが期待できるという。

 このほか、のり面の補強や落石防止対策など、災害の発生前の事業でも連携し、効率的に進めていく。国などへの要望活動も協力して進めるという。

 7日に沿線の山梨県道志村で締結式が行われ、相模原市の本村賢太郎市長、山梨県の長崎幸太郎知事が協定書を交わした。

 本村市長は「両県市の住民生活や経済活動を支える国道413号の強靱(きょうじん)化に向け山梨県と連携し、国への働き掛けもしっかりやっていきたい」と話した。

 台風19号の襲来以降、通行止めになった国道413号は、今年3月に全面復旧した。県境を結ぶ幹線道路として住民生活や物流を支える一方、山間部を通るため以前から防災面が課題となっていた。

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