保育士の処遇改善訴え 市と国に要望書 川崎の市民団体

 川崎市の認可保育所で働く職員の年収について、24歳までの7割が250万円未満であることが、市民団体「川崎市保育問題交流会」と関東学院大の中西新太郎研究室による共同調査で分かった。同交流会メンバーらは「低賃金は深刻で、最低限度の生活さえ送ることが困難な水準」と指摘している。

 交流会は弁護士や労働組合、研究者らで構成。共同調査は昨年10~11月、市内の認可保育所311施設を対象に実施した。保育士、看護師、調理員など職員648人(回収率21%)、施設長59人(同19%)が回答した。

 回答では、職員の年収は250万~350万円未満が28.7%と最多で、150万~250万円未満24.4%、350万~450万円未満13.3%と続いた。ところが、24歳までに限ると、150万~250万円未満が58.2%と半数以上を占め、150万円未満も9.2%あった。250万~350万円未満は24.5%だった。

 交流会などによると、全国の試算で25歳単身者の最低生計費は年収260万~290万円台で、若年層保育職員の多くはこれを下回る。交流会などは11日までに、市と国に処遇改善などを求める要請書を提出。「保育士不足解消のためにも、保育士の賃金水準を引き上げることが必要」と訴えている。

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