新型コロナの経験を県民の安心につなげる 【新院長の横顔】奈良県立医科大学附属病院 吉川 公彦 病院長

**奈良県立医科大学附属病院
吉川 公彦 病院長(きちかわ・きみひこ**)
1980年奈良県立医科大学医学部卒業。米オレゴン健康科学大学、
奈良県立医科大学放射線科助(准)教授などを経て、2020年から現職。
同大学放射線・核医学科教授、IVRセンター長兼任。

開設75周年を迎え、大学移転プロジェクトに引き続き、病院の改修計画も立ち上がりつつある中、猛威を振るう新型コロナウイルス感染症(COVID―19)。吉川公彦病院長は4月の就任直後から、前代未聞の緊急事態に臨むこととなった。この経験は、どのように生かされるのか。

新型コロナ対策で議論 交流が活性化

「就任直後からずっと新型コロナウイルス感染症対策に追われてきたというのが実感です」と吉川病院長。もともと感染症病棟は9床のみだったが、県から重点医療機関として新型コロナ対応病床を150床確保するよう要請が入った。何とか三つの一般病棟を転換しつつ、人員配置や訓練などに当たる日々が続いた。診療制限は、外来3割減、病棟5割減、手術枠も5割減にまで及んだ。

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