子どもの成績が上がったら「臨時ボーナス」をあげてもいい?

マネープラスの「お金のしつけ」では、おこづかい制度という昔からあるしくみをお金のしつけに取り入れて、お話をさせていただく機会が多いです。

わが家ではお金のしつけをするためにおこづかいを取り入れて実践してきました。その過程でお金のしつけに取り入れてみてらいいかも?という機会が何度もあり、その都度検討しました。

その1つが「子どもが頑張ったときに臨時ボーナスをあげるか問題」です。この問題は最近の取材でも聞かれることが多いです。

今回は、臨時ボーナスはあげてもいいのかについて、私見ではありますがわが家のエピソードを盛り込んでお話をしたいと思います。


成績表の「よい」の数だけ100円あげる

臨時ボーナスについて考えるきっかけになったのが、祖父母に子どもたちが自分の成績表を見せたことでした。長女の成績表の「よい」の数を数え始めた祖父。「よい」の分だけ100円あげようと提案してきました。

「よい」×13個=1300円 (チャリーン♪)
長女は大喜びです。(毎度~)

長男はというと、「よい」の数は、0(ゼロ)。
気まずい空気が流れるなか、祖父が「残念賞として300円あげる」といいました。
長男「よっしゃー!」(ガッツポーズ)

わが家では、成績の結果をお金に換算し、臨時ボーナスをあげるという考えを持っていませんでした。毎月の定額のおこづかいのやりくりや管理が基本だったからです。お年玉こそ、子どもにとっての臨時ボーナスだと考えていたからです。

子どもの学習の成果や結果をお金に結びつけることは、わが家の教育方針ではNGでした。しかし、これをきっかけに、「インセンティブ」制度を取り入れるのも、いいかもしれないと改めて考えることになりました。

その理由は、子どものモチベーションが想像以上に高くなったこと、そして、これからは成果に対して報酬をもらうという考え方を学ぶ必要があるのではないかと、気づいたからです。

自分の価値(仕事)を正当に評価してもらうこと

ここでお話する内容は私見であり、独自の予想でしかありませんのでご容赦ください。私が会社員という立場を辞めて、個人事業主を経て、会社を経営することになってから、自分の仕事に対する正当な評価について意識するようになりました。

会社の経営といっても、私自身が業務に従事しているため、その仕事による評価そのものが会社の売り上げに直結します。自分の仕事や実力がお金という単位を用いて評価されます。

会社員であっても、そうでなくても、自分の価値というものを知ることは大切なことだと考えています。これから先、会社に雇われない働き方が増えて、自らが小さな事業者として仕事をする形が増えていくと思っています。

大手企業は統合などをしてその数が減っていきます。その一方で、個人事業主や小規模な会社が増えていくのではないかと思うのです。それぞれ自分ができる仕事内容を売り物にできる小商いの時代がやって来るのです。そして、小商いする者同士が取引し合ったり、または、集まって大企業との取引に対応したりすることで、利益という価値を生むようになります。

就職は働き方の1つでしかなく、お金を稼ぐ方法は多様化すると考えています。

子どもの自己肯定感を育むことも忘れないで

子どものおこづかいにプラスして、臨時ボーナス制度を取り入れることで、成果として評価されることのうれしさや残酷な面も経験することになります。大人社会ではこの面は顕著になります。

しかし、子育てのうえでは、結果だけを評価するのではなく、子ども自身が自己肯定感を持てるようになってもらうために、結果に至るまでの過程や努力をしていることは評価してあげるべきだと思います。

振り返ってみると、前述したエピソードの祖父からもらえた「残念賞」が長男を救ってくれたといえます。発達障害がある長男も、学校の評価の基準を満たすことができなかったけれど、本人なりに頑張っているのですから、残念賞をくれた祖父にはそれを気づかせてくれたことに感謝しないといけません。

臨時ボーナス制度を取り入れた我が家

このような経緯があり、わが家では、臨時ボーナスに対しての考え方を改め、取り入れることになりました。学校のテストや成績も対象ですが、学校の勉強以外の事でも努力したり、学んだりしたことを評価したいと考えましたし、さらに、それが社会的に評価される機会があれば、実力を発揮してもらいたいと考えました。

たとえば、長男の場合は、小学生の間は日本紙飛行機協会が主催する大会に出場しました。成績はHPでも公表されますが入賞者には記念品が贈られます。中・高校生になると動力が付いた自動車模型のプラモデル(商品名はあえて書いていません)をつくり、大会に出場していました。

さすがに、この年齢になると組み立てもセッティングも上手な人が多く、入賞できた機会はほんのわずかです。自分よりも上手な人が多くいるということも理解できたはずです。自作の自転車を組み立てたのも高校1年生の頃です。

入賞できればお祝いとして家計から臨時ボーナス(1000~3000円くらい)がもらえるし、残念賞は少しですが交通費程度は渡しました。次につなげるためのモチベーションと、軍資金として活用してもらいました。

成績が良い子はぐんぐん伸ばしてほしいし、学校の勉強が苦手だったり、ムラがあったりする子には、頑張れる場所で伸びてほしいですね。今回は、わが家のケースをお話ししましたが、子どもが頑張ったときに臨時ボーナスをあげるか問題について、家庭での考え方のヒントになれば幸いです。

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