壱岐・高田 「島のエース」躍動 佐世保実を完封

【1回戦、佐世保実―壱岐】10奪三振で完封した壱岐のエース高田=佐世保市総合グラウンド野球場

 島のエースが甲子園出場経験のある私立校に真っ向からぶつかった。終盤には右ふくらはぎがつって一度は倒れ込んだが、気迫で投げ抜いた。終わってみればスコアボードに並び続けた「0」の数字。壱岐の高田は「(自らの失策以外)ノーエラーだった守備のおかげ。コントロールがまだまだ」と謙虚に完封劇を振り返った。
 最速140キロ超を誇る直球で初回から押した。相手が慣れてきた中盤からは、見せ球の変化球も増やした。そんな右腕をバックも懸命に支えた。四回無死一塁の場面は相手4番の長打性の当たりを左翼中上が好捕。脚がつりだした六回は遊撃山口凌が立て続けにアウトを取るなど、原口監督も「全員が頑張った」とチーム力を強調した。
 均衡が破れたのは七回。ベンチ裏でストレッチしていたが、歓声で得点を感じた。スイッチを入れ直した。九回は圧巻の3者連続、10個目の三振で締めくくった。
 2回戦は昨秋の3回戦で敗れた大村工が相手。「ホームランも打たれて悔しい思いをした。完封を狙う」。チームの目標である「県で初優勝」に向け、次も最後までマウンドは譲らない。

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