有害鳥獣を無駄にしない シカ革でストラップ完成 五島で親子連れなど体験

シカに関する知識や道具の使い方を学びながら、シカ革でストラップを作った体験会=五島市武家屋敷2丁目、福江武家屋敷通りふるさと館

 五島市内で捕獲されたシカの革でストラップを作るレザークラフト体験会が12日、同市であった。地域おこし協力隊として有害鳥獣対策に取り組む野澤努さん(53)が、革を捨てずに有効活用しようと企画。親子連れなど24人が挑戦し、野澤さんの解説でシカに関する知識も楽しく学んだ。
 野澤さんによると、かつて五島のニホンジカはシーボルトによって欧州に持ち出され、新種と判断された歴史がある。今では農作物被害などをもたらす存在として駆除されるが、野澤さんは玉之浦町の住民らに革の加工技術を習得してもらい、革製品の販売などを通して地域活性化を目指す事業にも取り組んでいる。
 ストラップは、五島産のなめしたシカ革に、専用の器具で穴を開けたり金具を取り付けたりして、30分余りで完成。体験した市立福江小2年の宮悠煌君(8)は「トンカチで(金具を)たたくのが楽しかった」と話した。

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