DeNA大貫、中3日で汚名返上 自己最長8回快投

横浜DeNA・大貫(資料写真)

◆横浜DeNA5-3中日

 首脳陣の温情に最高のピッチングで応えた。まさかの初回降板から中3日で迎えた14日の中日戦。「本当に悔しかった。もう一度チャンスがあるとは思ってもいなかった」という横浜DeNA大貫が自己最長の8回2失点と快投した。

 マウンド上で表情を変えない右腕は、投球もクールだった。得点圏に走者を背負ったのは初回だけ。数球で追い込み、ツーシームやスプリットが低く構える伊藤光のミットへ吸い込まれていく。六回まで奪った18のアウトのうち、外野への飛球は二つだけ。「ゴロボーラー」の真価を発揮した。

 屈辱を味わい、ここ3日間はブルペンでフォーム修正。これまで経験のなかった八回も三者凡退で打ち取ると、控えめにグラブをポンとたたいた。わずか89球。「ちょっとはチームの力になれたかな」と笑った。

 ルーキーイヤーの昨季6勝からの飛躍を期し、オフはオーストラリアに武者修行。キャンプでは球数を減らすため変化球の精度を磨いた。もともと太れない体質。自主練習期間中に減った体重を戻すためプロテインやおにぎりで補給し、1日5食も敢行した。

 登板後の登録抹消が既定路線だったが、ラミレス監督は「素晴らしいパフォーマンスが僕の考えを変えてしまった」と賛辞を惜しまない。苦心して得た今季1勝に、「1イニングずつ集中して投げた結果。次も初回から全力で投げる」と大貫。「独り立ち」の2年目へ、大きな一歩を踏み出した。

© 株式会社神奈川新聞社