「悪霊退散」 酒匂川でサプライズ花火 小田原

新型コロナウイルスの収束を願い、打ち上げられた花火=小田原市酒匂

 新型コロナウイルスの収束を願い、小田原青年会議所(JC)は13日夜、神奈川県小田原市寿町の酒匂川の河川敷で、花火を打ち上げた。24日にも市内で打ち上げる予定という。

 辺りが暗くなった13日午後7時半、突如夜空を満開の花火が彩った。医療従事者支援のイメージカラーとされる青色の4号玉や、ハート形のスターマインなど5分間で75発を打ち上げた。犬の散歩をしている男性が足を止めたり、近隣住民が自宅のベランダから眺めたりする様子が見られた。

 同市では、新型コロナの影響で夏恒例の「小田原酒匂川花火大会」の中止が決定。こうしたことから「少しでも市民の不安を和らげられたら」と同JC有志が花火を製造するファイアート神奈川(厚木市)の協力を得て、今回の花火の準備を進めてきた。

 感染リスクを避けるため、「集客しない」「5分以内」と決めて実施。古来から花火大会の目的の一つとされる「悪疫退散」の願いも込めた。花火の様子は、動画投稿サイト「YouTube(ユーチューブ)」で今後公開する予定という。

 24日は、全国約100のJCが午後8時から約1分半の間、一斉に花火を打ち上げる。県内では小田原JCと相模原JCが参加する。人が集まるのを避けるため、開催場所は事前告知しない。小田原JCは「花火を機に、みんなが上を見上げて笑顔になってくれれば」と話している。

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