BSL4「建設禁止を」 住民ら仮処分申し立て 長崎地裁

 長崎大が長崎市の坂本キャンパスに建設中の感染症研究施設「バイオセーフティーレベル(BSL)4」について、新型コロナウイルス感染拡大を踏まえた対策や耐震強度に懸念があるとして、反対住民らが14日、建設禁止を求める仮処分を長崎地裁に申し立てた。同時に耐震設計などの情報開示などを同大に求める訴訟も起こした。
 仮処分の申請者は、周辺住民ら2269人でつくる「BSL4施設計画の差し止めを求める会」(山田一俊代表)と、同会の役員3人。訴訟の原告は同会。
 申立書では、新型コロナ感染拡大を踏まえ、リスクしかないBSL4施設を住宅街に設置する危険は計り知れないと主張。同施設の建設計画について同感染症の発生前に作られており、新型コロナの知見や小江原断層の影響も考慮されていないとしている。
 同施設は来年度に完成する予定。市役所で会見した原告の1人は「空気感染の可能性を否定できず、住宅密集地に造るのは怖い。いま工事を差し止めないと完成してしまう」と訴えた。同大は「訴状を確認していないのでコメントは差し控える」としている。

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