価格最大100倍で転売 種雄牛精液流出

精液ストローが県外に転売されていた最高ランクの県有種雄牛「耕富士」(県家畜改良事業団提供)

 県が所有する宮崎牛の種雄牛「耕富士」「満天白清」などの冷凍精液ストロー約40本が県外に流出した問題で、関与した県内の家畜人工授精師2人が当時の正規価格の最大100倍となる1本4~5万円で県外の授精師に転売していたことが15日、分かった。県有種雄牛の精液の取り扱いは「県外不出」で、2頭は宮崎牛ブランドを牽引(けんいん)する「二大エース」として絶大な人気を誇る。県の知的財産が不当に転売された実態に、県内の畜産関係団体の幹部は「種付けされて生まれた子牛が県外の種雄牛になる可能性もある」と問題視している。

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