新型コロナの感染経験者は保険に入れるのか?検査費・治療費など気になる点も解説

新型コロナウイルスの影響で、生活習慣や健康に関する意識が変わったという人も多いのではありませんか。緊急事態宣言が出ている間は、生命保険の対面での販売は自粛になりましたが、ネットでの申込が急増しました。

「保険市場」のオンラインによる申込みは、2020年3月は、前年同期比で182.4%も急増したそうです。また、ネット保険を中心にしているライフネット生命も前年同期比約27%の増加だったそうです。そこで、このコロナ禍で保険に入れるのか? また、入った方がいいのか? など気になる点を解説します。


コロナ禍で医療保険に入れる条件とは

毎日、新型コロナウイルスの新規感染者数のニュースを気にしながら生活をしている人も多いですよね。たぶん、この状態というのは、長く続くのではないかと思います。これが「ニューノーマル(新しい日常)」になってくるのでしょう。

気になるのは、新型コロナウイルスが世界中に広がっている中、保険に入れるのか? ということですね。しかし、心配する必要はありません。いままで通り普通に保険に入ることはできます。

保険の種類や保険会社によって、告知内容や審査基準などは違ってきますが、問題なければ保険に加入できます。

告知内容は各保険会社で変わりますが、医療保険の一般的に下記のようになっています。

1. 最近3か月間以内に診察・検査・投薬を受けたことがあるか?
2. 過去5年以内に入院・手術を受けたことがあるか?
3. 過去5年以内に7日間以上にわたる医師の診察・検査・投薬を受けたか?
4. 過去2年以内に健康診断か人間ドックを受けて、異常を指摘されたことがあるか?
5. 身体障害の有無について(視力・聴力・言語・そしゃく機能などに障害があるか、手足・指・背骨・関節などに欠損・変形・障害があるか?など)

新型コロナウイルスの感染経験者は保険に入れるのか?

すると、ここで疑問がわくのが、新型コロナウイルスに感染した経験者は保険に入れるのか? ということです。これは、保険会社によって対応が違っているようです。

まだ新型コロナウイルスは研究途中で、その特性などが完全に解明されておらず、健康へのリスクがよくわかっていないからです。実際に、保険契約は可能なのかを、何社かの生命保険会社の広報に確認を取ってみました。回答としては、告知内容を確認して個別に対応していくそうです。

新型コロナウイルスに感染して重症化した人は、入院することになりますし、PCR検査で陽性になっても、無症状だったり軽症だったりする人がいると思います。これらの人たちは、前述した告知内容の項目に引っかかったとしても、保険に入れないと言うことはありません。告知内容を総合的に判断してから、引受を判断するそうです。

また、PCR検査をした場合、PCR検査の結果が出るまでは、保険に入ることはできませんが、「陰性」という結果が出たら、通常通り保険の引受になるので、検査を受けたからという影響はないそうです。

全部の保険会社に確認したわけではありませんから、各社によって対応は異なります。また新型コロナウイルスの研究が進んでいくと、対応も変わっていくと思います。個別にご確認ください。

新型コロナウイルスに感染した場合の治療費は?

新型コロナウイルスにかかった場合には、医療費はどのくらいかかるのだろうか? というのも心配ですね。

一般的な病気で、治療や入院をした場合には、健康保険がありますので、原則3割負担です。しかし、新型コロナウイルスは、厚生労働省が「指定感染症」に指定しましたので、医療費は公費で負担することになっているので原則、自己負担はありません。

PCR検査も保険が適用されました。また自己負担分も公費で負担することになりましたので、検査結果にかかわらず、自己負担はありません。つまり、検査結果が陰性であっても、自己負担はありません。

実質、新型コロナウイルスの検査や治療には負担がないということです。

民間の医療保険の支払いは?

では、民間の医療保険はどうかというと、保険金、給付金は受け取れます。

新型コロナウイルスで入院をした場合には、入院給付金を受け取れます。また病院のベッドに空きがなく、病院以外の臨時施設などに入院した場合も、医師による証明書を提出すれば入院したとみなしてくれます。

PCR検査で陰性が出たとしても、その間に医師による指示によって入院をした場合は、入院給付金の支払い対象になる保険会社も多いのです。もちろん、新型コロナウイルスで、死亡した場合は死亡保険金の支払い対象になります。

また、保険の特約で災害割増特約を契約していた場合には、対象範囲を拡大して対応している保険会社が多くなりました。詳しくは、契約をしている保険会社に確認をしてみてください。

医療保険は余裕資金があれば、入る必要のない保険

最初に述べたように、新型コロナウイルスの影響で、保険の新規加入が増えています。では、急いで医療保険に入る必要があるのでしょうか?

これに関しては疑問です。必ずしも急いで医療保険に入る必要はありません。

新型コロナウイルスの検査や治療には自己負担は原則ありません。それ以外の病気でも、高額療養費制度があるので、自己負担はそれほど多くはありません。また、ほとんどの医療保険は、長期治療には対応していないからです。

では、どんな人にとって医療保険が必要なのかというと、余裕資金がない人です。数ヵ月分の生活費くらいの余裕資金があれば、だいたいの病気の治療費などには対応できます。ですから医療保険にわざわざ入る必要もないわけです。しかし、余裕資金がないと言う人には、入院などが生活崩壊の引き金になってしまうことがあります。そういった人には、リスク回避のために医療保険が必要になる場合があります。

今回のコロナ禍で、大きな影響を受けた人で余裕資金がなくなった人も多いかもしれません。そういった場合には、一時的に医療保険に加入して、ある程度、余裕資金が貯まったところで医療保険を解約するという方法もあります。

保険と言うのは、経済的なリスク回避の手段です。余裕資金があれば、医療保険の必要性は低いと言うことを覚えておいてください。

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