佐賀県が環境アセス拒否 新鳥栖-武雄温泉 2023年度着工困難か

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 九州新幹線長崎ルートの未着工区間(新鳥栖-武雄温泉)の五つの整備方式に対応できる環境影響評価(アセスメント)の手続きについて国土交通省は15日、佐賀県に改めて同意を求めたが同県は拒否した。同省は今月末を期限に再考するよう要請したが、同県が受け入れなければ2023年度着工を断念せざるを得ないとの見通しを示した。
 同県庁で足立基成・同省幹線鉄道課長が南里隆・同県地域交流部長に初めて対面で環境アセスの趣旨を説明。同県側は電子メールや電話で提案を受けた先月中旬にも「同意できない」と回答したが、この日も従来の姿勢を崩さなかった。同省は五つの整備方式のうち、長崎県が求めているフル規格について工期12年、35年度全面開業を見込んでいたが、ずれ込む可能性が出てきた。
 足立課長は「アセスには2、3年かかる。その間に整備方式をしっかり議論でき、結論が出れば速やかに着工できる。佐賀県にとってノーリスク、ノーコストで、知恵を絞って提案した」と強調。武雄温泉駅での対面乗り換え方式で暫定開業する22年度の翌23年度着工を目指した場合、来月から建設主体の鉄道建設・運輸施設整備支援機構と佐賀県が環境アセス手続きの調整に入らなければ間に合わないとして同意を求めた。
 南里部長は「スケジュールありきでは議論しない」と従来の方針を述べ、7月末までの再考についても既に回答済みとして否定的な見解を示した。
 同省は先月、フル規格、ミニ新幹線、スーパー特急、フリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)、対面乗り換えの五つの整備方式に対応できる環境アセスを提案。足立課長は15日の説明でフルとミニは法令上のアセス、スーパーとFGTは自主的なアセスになるとし、対面乗り換えは追加工事は必要ないためアセスは不要とした。