高校入試範囲縮小 保護者ら、安堵と困惑

 来春の公立高入試について長崎県教委が出題範囲の縮小を発表した15日、中学校の関係者や受験生を抱える保護者からは「早めに決めてもらいありがたい」「除外された範囲は授業から省かれそう」など、安堵(あんど)と困惑の声が入り交じった。
 長崎市内の市立中学3年の男子生徒(14)は「範囲が狭まったのはうれしい。出題範囲の部分をしっかり勉強したい」と気合を入れる。一方、母親(39)は、数学の確率などが除外されたことについて「日常生活で役に立つ部分なのに」と不満そう。「授業でも省かれてしまうのかしら。多くのことを学んでほしいけど、受験対策もしてほしい」と困惑する。
 4月以降、計15日間の休校となった壱岐市。夏休みを8月8~31日に短縮して学習時間の確保を図る。同市立中学のある校長は「早めに決めてもらい、学校も生徒も余裕を持って受験の準備ができる」。佐世保市立中学校の進路指導担当の男性教諭(30)は「(休校の影響で)教員側も詰め込みになるのではないかと心配していた。生徒に理解してもらいながら教えていく時間が確保でき、ありがたい」と安堵した。
 一方、別の公立中学校長は「除外されたからといって教えないわけにはいかないが、入試直前になるとそうもいかないだろう」とこぼした。
 県私立中学高等学校協会の上村正和会長(玉成高校長)は「各私立高も県教委に準じた範囲の入試問題になっていくと思う」と話した。

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