ムラ焼け、ニキビ、乾燥…「夏のマスク」で起こる肌トラブルの対処法は?

新型コロナウイルスの影響で、どこへ行くのにもマスクが必須となった2020年の夏。高温多湿の気候の中で、スキンケア似不慣れな人には思わぬトラブルが続出しています。今回は、男性だけでなく女性も使える、マスクによる肌荒れを防ぎ、トラブルに見舞われない方法を解説します。


暑さと蒸れには機能性マスクを

まず、マスクをすることで起きる第一のトラブルは暑さと蒸れです。これの回避方法は、通気性のよい素材のマスクを選ぶことに尽きるでしょう。最近は、冷感接触を謳った機能性素材を用いたマスクもあり、きっと皆さんも目にされたことがあるはず。ちょっと検索しただけでも、たくさん候補が挙がってきます。

その手のマスクは洗濯して使用するものがほとんどで、不織布の使い捨てに慣れているとやや面倒かもしれません。しかし、口元はデリケートな部位なので、恒に清潔なモノを使用しなくてはいけません。使い終わったら、中性洗剤などで洗ってよく乾かす必要があります。

マスク内は過酷な環境になっている

一方で、使い捨ての不織布マスクを使っている人は肌荒れに注意が必要です。特に不織布は表面が毛羽立ちやすく、一般的な綿などとは異なり表情の動きにフィットしないので、摩擦や刺激で肌へ大きく負担をかけます。赤く擦れたり、呼気で蒸れて皮膚表面を覆っている角層が“ぶよぶよ”になったりするのです。

特に、唇は皮脂の分泌がほとんどなく、乾燥しやすいところ。皮脂というと悪者と捉えてしまいがちですが、そうではありません。雑菌などの外部からの侵入を防ぎ、体内の大切な水分を蓄えてくれる「肌のバリア機能」を維持するもの。免疫になくてはならない存在です。

唇はもともと、その大切な皮脂が少ないので、普段からリップクリームなどで保護してやることが重要。そんなデリケートな口周りをガザガサとしたマスクで覆う物理的な刺激だけではなく、さらに過酷な夏の環境までもが加わると、ダメージは自分が思っているよりも深刻なものになってしまいます。

汗をかいたらこまめに拭き、十分に保湿をしましょう。保湿の方法は詳しく後述します。

ニキビができたら優しくケアする

さらに刺激から炎症を起こして、ニキビができる人がいます。実際、皮膚科のドクターの元にも相談が増えているそう。決して無理やり潰したり、引っ掻いたりせず優しくケアします。

できることならニキビ用コスメにスイッチし、マスクを外した後は丁寧に洗って清潔に保ちます。思春期の皮脂の過剰分泌が原因のニキビとは違うので、やはり保湿が必要です。その場合、サッパリとしたジェルなどでスキンケアしましょう。ひどいときにはニキビ治療薬の使用や、皮膚科を受診してください

原因がマスクの接触によるものならば、肌への当たりがやわらかいオーガニックコットンや通気性のよい生地を選ぶなどの工夫も必要でしょう。同じマスクを使い続けるのもよくありません。肌に触れるマスクが汚れていては、本末転倒です。いつも清潔なものを使うようにして。

強い日差しによるムラ焼けにも注意

日焼けも肌トラブルの原因です。UV効果のあるマスクであれば、覆われていない額や目周りにきちんと日焼け止めを塗布しておかないと、顔に不自然なムラ焼けが生じます。避けるためには、マスク部分よりも露出している部位に多めに日焼け止めを塗りましょう。

たかが日焼けと侮ってはいけません。紫外線は最初赤くなって、その後に色素が沈着するだけでなく、シミやシワそしてたるみという光老化の主原因。また、紫外線B波は表皮を赤くしたり、ひどいときには水ぶくれにしたりします。紫外線A波は真皮層の細胞の核のDNAまでも損傷します。

さらに長期間、無防備に浴び続けると、細菌やウイルスに対する免疫力が低下したり、皮膚ガンなどのリスクも高くなったりするとされています。新型コロナウイルスが未だ収まっていないこの状況下で、自ら免疫力を下げてしまう行為は、まさに愚の骨頂と言えるでしょう。夏だけではなく、日焼け止めは1年中必要です。

もっとも効果が高いのが物理的に日を遮る方法です。帽子をかぶったり、サングラスをしたり、日傘を使うのがいいですね。身体も衣服の露出を抑えるのがベター。紫外線はビタミンDの合成を促す作用があるとはいえ、現代では日差しを浴びるより、サプリメントなどで補う方が得策だと思います。

スキンケアを徹底して、免疫を下げない努力を

マスクや紫外線で刺激を受けた肌にはスキンケアが必須。といっても難しいことはありません。夜には一日にかいた汗や酸化して古くなった皮脂などをきちんと洗い流しましょう。決してゴシゴシとこすらず、たっぷりの泡で包んで洗います。

そして、洗顔後は必ず保湿を。ベタベタするからと何も塗らないのはNG。乾燥して肌荒れの原因となりやはり免疫の低下を招いてしまいます。

基本的には通常の保湿でよいのですが、夏でも化粧水の後は、乳液など油分が入っているもので潤いが逃げないようにフタをしましょう。時間があるときはシートマスクでじっくりと保湿するのもよいでしょう。

すでに肌が敏感になっているなら低刺激性のものを

また、肌が敏感になっているなら低刺激性の化粧品を選ぶのが正解。皮脂に近いスクワランや抗炎症効果のあるグリチルリチン酸2K配合のものなどがお勧めです。

もし、すでにシミが気になるようなら、シミ対策用の美容液を化粧水と乳液の間に塗りましょう。広範囲の色ムラなら全顔に、部分的なシミならスポット的に塗布します。シミケアは時間がかかるので、じっくりと毎日コツコツやるのが基本です。

このようにマスクがもたらす影響は見過ごせないものばかり。高温多湿の厳しい夏を快適に過ごすため、男女を問わず肌の調子に目を配りましょう。

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