「暴力なくなった」 DV加害者更生プログラムで一定改善 長崎で第5期受講生募集

 ドメスティックバイオレンス(DV)の被害者支援の一環として、加害者へのアプローチを続ける「ながさきDV加害者更生プログラム研究会」(宮本鷹明代表)。今年6月の第4期までに延べ12人がプログラムに参加。会が受講者のパートナーに面談したところ「身体的暴力がなくなった」と変化を口にするなど一定の改善が見られたという。現在、9月からの第5期の受講者を募集している。
 会は臨床心理士や弁護士ら専門家で構成。「加害者が変わらなければ、被害者を減らすことはできない」との考えから、2017年に活動を始めた。
 プログラムは長崎市内で約半年間にわたって週1回程度開き全18回。延べ12人の受講者は30代~50代の男性で、暴力が家族に及ぼす影響などについて意見を出し合い考えた。グループでの活動を通じ、自分の言動を客観視してもらった。
 会では受講者を対象としたプログラムに加え、パートナーへの面談にも力を入れている。多くは(受講者に対し)「関わりやすくなった」「怖くなくなった」と改善点があったという。
 会は、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、公益財団法人「みらいRITA」(東京)の緊急支援助成金を活用。オンラインでプログラムを実施するための環境整備費などに充てる。
 コロナ禍で、第4期はプログラムを一部延期し、電話での聞き取りに変更した。オンライン環境を充実させることで、将来的には離島など遠隔地からの参加にもつなげたい考え。
 宮本代表は「加害者は『暴力で正しいことをさせる』とか『自分も被害者』と思い込んでいる。プログラムを通じ暴力につながりにくい考え方に変わってもらいたい」と話している。
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 第5期は9月1日から週1回、全18回(有料)。事前説明会は7月18日午後7時から長崎市魚の町の市男女共同参画推進センター・アマランス会議室で開く。無料。プログラム体験もできる。問い合わせはながさきDV加害者更生プログラム研究会(電070.2833.7399、メールinfo@nondv.com)。

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