旧制和歌山中学校や旧加太砲台など12件が登録有形文化財に

国の文化財審議会は、きょう(17日)旧制和歌山中学校や旧・加太砲台(かだほうだい)など12件の建造物を国の登録有形文化財にするよう、文部科学大臣に答申しました。

旧制和歌山中学校の図書館(※写真提供・和歌山県)

このうち、和歌山市吹上(ふきあげ)の旧制和歌山中学校・現在の県立桐蔭(とういん)高校の図書館は、1929年(昭和4年)に開校50周年を記念して建てられた鉄筋コンクリートづくり・平屋建てで、現在は同窓会館として改修されています。正面玄関ポーチの太い円柱や手すりの重厚さと、正面壁面の中央に飾られた旧制中学校の校章が特徴のモダンな近代建築です。

旧制和歌山中学校の運動スタンド(※写真提供・和歌山県)

また運動場スタンドは、1922年(大正11年)、野球部の全国中等学校優勝野球大会での2連覇達成を記念して作られたコンクリート製の観客席で、竣工後、当時皇太子だった昭和天皇がここで初めて野球観戦をしたと記録が残っていて、旧制海草(かいそう)中学校と双璧をなす県内野球名門校の歴史を物語る貴重な遺構となっています。

旧・加太砲台の弾廠(※写真提供・和歌山県)

このほか、明治後期に建てられた和歌山市の旧加太砲台の弾廠(だんしょう)と厠(かわや)、それに和歌山市の向井家住宅(むかいけじゅうたく)の主屋(おもや)や土蔵など4件と、紀の川市粉河(こかわ)の山﨑家住宅(やまさきけじゅうたく)の主屋や蔵など4件も登録されることになりました。 これらが指定・登録されると、県内の登録有形文化財は99か所の282件となります。

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